大阪人の視点で描かれた人情味を感じさせる良い映画でした。
泥棒や詐欺師、風俗嬢、ポルノ小説家志望や三流ホスト、ノーベル文学賞に取り憑かれた心を病んだ男やうだつの上がらぬヤクザ、年金暮らしの孤独な老女、ヤクザから追われ潜伏中の男など、大阪下町の家賃三万円のアパートに住む社会の底辺を現すかの様な大人達を相手に大家の娘として住人の頭をパチパチ叩きながら『家賃払え!」とカマシまくり取り立てる様などコントを見ている様で面白いものがあります。
あっけらかんとヤクザの事務所まで家賃の取り立てに行く映画の主人公、時々変な顔をする12才の『じゃりん子チエ』の様な少女なのですが(笑)私が現役の極道の頃にこんな少女が若い衆の滞納した家賃を取り立てに来たならば、その度胸に免じてやはり綺麗に滞納分を払った上で飯を食べさせて頭を撫でて帰すだろうな、などと思ったものです。
ただし…荒ぶる気性の当時の事、子供に自分の下手売りで事務所まで乗り込まれた若い衆にお灸はすえたのでしょうけども。。笑
主役を演じたこの子はきっと演技派の良い女優さんになる様な気がします。
合掌