映画『一人っ子の国』を観て

Amazonprimeで観ましたが、ある面、ジェノサイドのドキュメンタリーを見せられている様な思いにさせられる重い内容の映画でした。
先般、東京オリンピックなども開催終了しましたが、その姿勢や表情に日本はおろか海外どの国に比べても中国の選手が『国を背負ってきている』ものを感じた方は多かった様です。中共(中国共産党)のナショナリズム、覇権主義と言うもの、オリンピックなども国威高揚の場としてとらえ、金メダルを取れなければ人にあらずとばかりに選手や監督ばかりでなく選手を取り巻く一族郎党にまでその不名誉や不利益が及ぶかの様な見えざる『暴力装置』がこの国にはある事を、違った角度からこの映画は教えてくれるものです。
1979年~2015年まで行われていた中国の『一人っ子政策』人口の増加が国を滅ぼすと中国が取り組んできた狂気の沙汰が、子供を抱えたどこにでもいる普通のお母さんの様な雰囲気の中国人女性二人(映画監督)の視点から関係者の追跡レポートで始まっており、言葉も淡々と丁寧ながら、毛沢東以来の政策を賞賛する自分の母親の無知を晒す事にも容赦ないものがあり、町の至る所には『子供は一人まで』『二人目を産めば刑務所行き』と(その他にも脅し文句多数)中国政府によるスローガンが掲げられ、ナチスドイツを思わせるテレビでCM同様に流れるプロバガンダなど、二人目の子を妊娠していると分かれば子を堕ろす事を強要し、従わなければ数人で無理やり女性の身体を押さえ付け、強制的に堕胎手術を行い、また見せしめの為にその女性が親や家族と共に住む家を打ち壊し屋根を剥がしてしまう非人道ぶり。
その権力を執行した側にもこの女性リポーターは鋭く踏み込んで行くもので、家を壊すなどの陣頭に立った町の区長の様な老人、一人っ子政策を啓蒙した事で大々的に取り上げられ国から表彰された女性、このいずれもが
『一人っ子政策が無ければ今の中国は無い』
『あの時他にどうしろと言うのか?』
『一人っ子政策は正しかった』と繰り返すばかりで、また対照的に国の命令で強制的に堕胎手術を行ってきた女性が、強い罪悪感から一人の僧侶の言葉に改心し、一人っ子政策の撤廃以後、不妊治療で人から感謝されている姿なども映し出されていたものです。
しかしながら、この一人っ子政策の影でとんでもない闇ビジネスが行われていたもので、二人目の子供を育てられないと産まれたばかりの赤子を道端や人目のつく所に捨てる事例が後をたたず、それを専門に拾い上げ、施設などを経由して欧米に売り捌く人身売買が横行していた事。それはこっそり産んだ二人目の子供を引き裂く様に行政側が連行したケースにも同様で、子供を返して欲しいと懇願する母親に罰金を吊り上げ諦めさせた上で、やはり施設を経由して、欧米の家庭へ養子縁組の名の元に常習的に人身売買が行われていたものであり、当時中国最大と言われ、家族総ぐるみで人身売買の闇組織を構成し長期の服役も体験した頭目だった人間の証言などもあり、毎日捨て子はいないかと路上を探しまくり売買した子供の数は『一万を超える』とインタビューに答えていたものです。
またそれ以上に中国の名だたる市町村が『一人っ子政策』を推進しながらこの乳児の売買に関与し利益を享受していた驚愕の構造なども明らかにされており、マッチポンプともダブルビンタとも言えるもので、矛盾と権力闘争を抱えながらも警察国家アメリカに取って代わるスーパーパワー(超大国)に成ろうと画策する中国と言う国の本質がよく見える映画でした。
※制作はアメリカ、中国人女性の監督も米国在住。
※2016年以降中国は少子高齢化の懸念から1つの家庭に子供は二人までと一人っ子政策を撤廃。
           
合掌

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密教僧侶ヒーラー正仙
元ヤクザ組長から密教僧侶ヒーラーになった男
真言宗・大元吉祥堂・堂主・ヒーリングルーム吉祥・主宰

かつて極道の世界に身を投じていたが、獄中にて
スピリチュアルな気付きが始まり、出所後堅気になり、
その後真言宗僧侶と成る。

あたり前に生きる事が難しい今の時代、
自らを不安や恐れと言う闇の中に囲い苦しんでいる方達に
それぞれの方が本来持つ、
あるがままの素晴らしい光や輝きに気付いて貰える様に

愛を基にしたパワフルなヒーリングやリーディング、
講演を心掛けて行きたいと思っています。

 

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