札幌の女性達による新しい葬儀の形が書かれた本ですが、模擬葬や今までにないユニークな旅立ちの衣装など、一つの自由葬の在り方として、私は大変好ましいものを感じました。
今や多くの方に、葬儀社主導の葬儀に対する違和感と言うものが根底にある様で、遺族には意味不明な儀式の手順や、高額なパック化された費用への疑念と言うものが広く社会に共有され始めている時代なのかも知れません。
先日なども、斎場に導師として呼ばれた僧侶が、予定していた金額のお布施が足りぬ事に立腹し、回れ右で斎場から帰ってしまった話しなどを聞くに及び、僧侶以前の人格が問われる様な事でもあり、『そんな事あるんですか!?』と思わず聞き返してしまった私でもあります。
(゜д゜三°Д°)
檀家を持たぬ在家出家の私などは、葬儀の導師を頼まれた事も数えるほどしかありませんが、檀家が100人に満たぬお寺などは、『お寺丸儲け』の揶揄する言葉など何処へやら、実情は青息吐息の大変なところが多かったりもするものです。
前出の心無い僧侶の姿などが、地方などに於いても『親がした通り葬式はお寺には頼むけど、檀家はゴメンだ!』と言う様な寺離れに拍車をかけているのかも知れません。
本来、例え小さな寺であっても、町の相談所の様に、地域に溶け込み、気安く地元の方達が訪れる事の出来る心の拠り所となるのが理想なのでしょうが、葬儀などに見る高額のお布施と言う事が、尚更に敷居の高いものにしてしまっている現実もある様です。
これからの時代の葬儀に於ける適正価格や寺の在り方など、色々と考えさせられる本でした。
合掌