昨日は自坊本尊大元帥明王(だいげんすいみょうおう、行者はだいげんみょうおうと読みます)の縁日という事で大元法を勤修しました。
お不動さんの名で親しまれている不動明王は皆さんご存知の方も多いと思いますが
大元帥明王はあまり知られていない秘仏中の秘仏といったところでしょうか?
真言密教でいうところの大日如来、釈迦、観音などあらゆる仏と菩薩の集合体であり諸明王の総帥であるとされています。
古くから国家鎮護の為に拝まれた仏でもあります。
平将角の乱や元寇の役、近年では日露戦争や太平洋戦争など
日本に国難が降り懸かった時に日本を守る為に真言宗僧侶により一心不乱に拝まれてきた歴史もあります。
ちなみにかつて日本の陸海軍が、陸軍、海軍の大将のうちとくに優れた人物に「元帥・げんすい」の称号を与えたのも
当時、陸軍の統率者と規定されていた天皇を「大元帥」と呼んだのもすべてこの大元帥明王からきているそうです。
大元帥明王を拝む密教僧や行者は東京はおろか、全国でも数少ないのではないかと思います。
国を守る為、怨敵調伏の最たる仏として修法されてきた怖いイメージがありますが
大元行者の私には、広大無辺な愛だけが感じられます。
仏に相対する時、自分が生かし生かされている事、家族や愛する人達、この日本に暮らし生きる人々、世界に生きる人々を守り導いてくれて有難うございます。
世界の生きとし生ける者全てが幸せであります様にとそこに感謝の祈りがあるばかりです。
合掌