本来なら不動明王ご縁日の28日の開催を恒例としている導師を勤めさせて頂く滝行ですが、今月の不動縁日は私が出張セッションなどで他県へ出張の為、12日を滝入りの日とさせて頂いたものです。
早いもので、有志の皆さんとの滝行も五年になり、その都度激しく見える時もあれば穏やかにも見える滝の姿、それはこちらの心を映し出す鏡の様でもあり、季節の移り変わりと共に滝を囲む若葉から新緑、紅葉へと変わる自然の変化にも和み、そして何よりも滝に臨む皆さんの表情、滝より出た後の何かオーラが一枚めくれた様な、開放感溢れる皆さんの表情を見るのが楽しみで、これまでご一緒させてきて頂いた様な気がいたします。
しかしながら、水遊びとは違う滝行、浮かれた心持ちで滝に足を入れれば、怪我をしかねない事は行者なら分かるものであり、神社や滝に続く参道の清掃やゴミ拾いを行った後は氏神神社にて表白、読経、御真言を唱え、神式のご挨拶も済ませた後は冷水に打たれる事から空手道禅道会、東京支部長、西川享助さんの指揮の元、入念な準備体操を行った後で、皆様に神社前にて一印の護身法などをお授けし入滝する際の諸注意をさせて頂くものですが、浮かれた気持をかなぐり捨て、まるで自らが行者になったつもりでお滝場を諸仏、諸尊をお祀りする修行道場、お堂と見立てて滝に向かって進列して頂く旨のお話しを毎回させて頂くものです。
法螺貝を吹き先導するは私同様、元極道にして真言宗僧侶の関口道薫さんですが、発起当初より滝行に於いて副導師を勤めて頂いてる方で、影に日向に尽力して頂き、感謝があるばかりですが、この日も滝の入堂、退堂時にはすっかりと上達、熟練を感じさせる道薫さんの吹く法螺貝が高らかに響き渡っていたものです。また、道薫さんと同じ一門の尼僧さんなども見学にいらして、滝行の様子を撮影するなどの労を取って頂いたものでしたが、直瀑の名所と言われる滝の勢いに💦かなり驚かれていた様でした。
この日の滝行、初参加の方もいれば数年ぶりに参加された方もいて、初参加の若者など、安易に臨んだ心がけに呼応する様に滝から弾き飛ばされる様な姿もあり、それでも金剛合掌にて口をキリリと結び直し挑む姿に気付きや学びも生じていた様です。
今年も自然がもたらすマインドフルネス、気付きと禊の滝行を見守り有志の皆さんと楽しんで行きたいと願う愚僧であります。
ご一緒した皆さん、有り難うございました。