イエスとブッダ・いのちに帰る著書 ティク・ナット・ハン
聖霊はマインドフルネスである!この本の帯にある言葉はまさに的を得た言葉だと思います。
マインドフルネスの大家としても知られるティク・ナット・ハン(2022年逝去)は日本語訳の著書も多数出版されており、日本でも広く知られた方で帰依されている方も多いのではないでしょうか。
ベトナムというとカンボジアなどにも国境を接している事から上座部仏教の国と思われがちですが、古くは中国による統治の歴史もあり、大乗仏教が主流の国で、道教、儒教の影響も受けそのスタイルも禅宗と浄土系がミックスされたかの様な独特のものがあります。
(加えてアミニズムも)
そんなベトナム仏教界でも突出していたのがティク・ナット・ハンで、激化するベトナム戦争の最中でも中立の立場から平和と停戦を訴え、北、南、双方より敵視迫害されフランスへ亡命を余儀なくされ、その後も『行動する仏教』を信条に農業、著述、講演活動、難民救済活動に奔走し仏教の普及と平和活動を続けた世界的仏教者でもあります。
日本の僧侶であれば、イエスとブッダを並べて表記する事など憚りを感じて思いもよらぬ事かも知れませんが(笑)私の中ではこの本のタイトルの通りイエスとブッダは並び立っているものがあります。
近年は日本でもマインドフルネスブームでしたが、『今この瞬間、この時を生きる』大切さは私が主宰するグラウンディング講座でも受講される方によくお話しさせて頂く事で、冒頭の『聖霊はマインドフルネスである』の聖霊は内なる神、ハイアーセルフの事であり、自我の攻撃に幻惑される事無く心穏やかに聖霊と一つであれば、その視点視座は自ずとマインドフルネスになるというのは至って自然な事と言えるかも知れません。
ネットでも動画でも簡単にお釈迦様の言葉をチョイス出来る事から頭でっかちな仏教マニアも多い時代の様です。特定の宗教に入信したり、お寺や教会へ通わずとも良いのですが、人間の自我というのは狡猾なもので、お釈迦様の言葉を引用してでも他者をジャッジメントし攻撃するもので(例えばスピリチュアルを十把一絡げに見立て攻撃する)これでは心に安息は訪れず、自我の性質から結局最期は個人攻撃にその矛先は向くところとなります。
修羅道や無間地獄に身を置きたいのであれば(笑)それも良いかも知れませんが、真理を体得し心の平安を得たいのであれば心の訓練は俄然必要な事でもあります。ましてやカオスな今の時代でもあります。
そうした時、イエスとブッダを並び立たせ本来仏教では妄執とされる愛と慈しみを両立させるティク・ナット・ハンのマインドフルネスは凝り固まった自我から抜け出し内面の自由を得る為の良き教材となる事に必至なものがあります。
歩く瞑想、呼吸法、感謝に満ちた観想、とても分かりやすくこれから瞑想を始めたいという人にも是非オススメの一冊です。
合掌

密教僧侶ヒーラー正仙
元ヤクザ組長から密教僧侶ヒーラーになった男
真言宗・大元吉祥堂・堂主・ヒーリングルーム吉祥・主宰
かつて極道の世界に身を投じていたが、獄中にて
スピリチュアルな気付きが始まり、出所後堅気になり、
その後真言宗僧侶と成る。
あたり前に生きる事が難しい今の時代、
自らを不安や恐れと言う闇の中に囲い苦しんでいる方達に
それぞれの方が本来持つ、
あるがままの素晴らしい光や輝きに気付いて貰える様に
愛を基にしたパワフルなヒーリングやリーディング、
講演を心掛けて行きたいと思っています。