友人より先日送られてきた本ですが一気呵成に読み終えてしまいました。
大阪は西成『あいりん地区』でも知られる釜ヶ崎を舞台に西田と言う女性牧師と信徒達との交流や赤裸々な姿がルポされている内容ですが、読み終えて見ると『自分の居場所を見つけた人の物語』と言うのが一番の感想でもありました。
この西田好子と言う牧師は龍谷大学卒業後、滋賀で30才より学校の教師として教鞭を取るも学校や父兄との折り合い悪くまた夫との関係も悪く離婚(人格者と思える二人の子供に恵まれている)52才より牧師として地方の教会に勤務するもここも折り合い悪く離れてしまい、その後は紆余曲折もあり釜ヶ崎に引っ越した様です。
やはりそこでも教会に勤務するも男勝りに弁舌逞しい西田牧師に人気が集まり「教会を乗っ取られるのでは?」と半ば嫉妬とも思える教会側の冷遇を受けた事から一念発起し、パンの耳だけを毎日食べる様な倹約と節制の末に小さな中華屋の居抜き物件を買い取り、そこを『メダデ教会』として立ち上げたもので、西田牧師はこの時60代前半、それから約7、8年の教会の歩みと共に生活保護で得た金をパチンコや博打、酒にあっという間に使い果たしてしまったり情をかけても突如いなくなるなど、自堕落で挫折を繰り返す信徒の姿や心の闇、それを再起させ様と葛藤する西田牧師の姿などが克明に描かれており、口舌多くエキセントリックではありながらも不退転の愛情を示す西田牧師と信者との心の交流がとても胸打つ内容でもあります。
殺人を犯した元ヤクザから被差別部落出身の人間、服役歴数回の盗犯、シンナー中毒やトランスジェンダーの男、社会からの落伍者など色とりどりにも20名の信徒全てがほぼ中高年以上の高齢者であり、本の内容も更正自立した信徒の未来などと言う明るい展望で完結しているものではなく、信徒の老いや病(心共に)と同居し先細りになる教会の不安がありながらも『座り込むな』『立て』『歩け』『生きろ!』と喝破する西田牧師の姿は綺麗な面だけをとかくクローズアップする聖人もどきのルポ番組などとは違い『蓮華の汚泥に染せざるが如し』と泥沼に咲く蓮の花を思わせる潔さと孤高の魂を感じさせるに十分なものがありました。
下の歌は極道当時十八番の歌でしたが、釜ヶ崎の地名に懐かしく口ずさんだものです。
釜ヶ崎人情
作詞 : もず唱平
作曲 : 三山敏
立ちん坊人生 味なもの
通天閣さえ 立ちん坊さ
だれに遠慮が いるじゃなし
じんわり待って 出直そう
ここは天国
ここは天国 釜ヶ崎
身の上話に オチがつき
ここまで落ちたと いうけれど
根性まる出し まる裸
義理も人情も ドヤもある
ここは天国
ここは天国 釜ヶ崎
命があったら 死にはせぬ
あくせくせんでも のんびりと
七分五厘で 生きられる
人はスラムと いうけれど
ここは天国
ここは天国 釜ヶ崎
合掌
密教僧侶ヒーラー正仙
元ヤクザ組長から密教僧侶ヒーラーになった男
真言宗・大元吉祥堂・堂主・ヒーリングルーム吉祥・主宰
かつて極道の世界に身を投じていたが、獄中にて
スピリチュアルな気付きが始まり、出所後堅気になり、
その後真言宗僧侶と成る。
あたり前に生きる事が難しい今の時代、
自らを不安や恐れと言う闇の中に囲い苦しんでいる方達に
それぞれの方が本来持つ、
あるがままの素晴らしい光や輝きに気付いて貰える様に
愛を基にしたパワフルなヒーリングやリーディング、
講演を心掛けて行きたいと思っています。