私たちは消された展

先日は午後より神田神保町で開催された「私たちは消された展」に行って来ました。

社会的ともセンシティブとも思えるタイトルですが、「消された」と云うのはフェイスブックの投稿より削除、またはアカウントの凍結や警告の措置が取られたプロのフォトグラファーの写真の数々であり、会場に入ると、アートあり、フェティシズムとアブノーマル、昭和懐かしのビニ本的な(笑)ノスタルジックなポルノまでが交錯するかの様な空間を現出していたものです。

※写真家GotoTakenoriさんと共に

この異色の写真展示会に出展されている写真家Goto Takenoriさんは、フェイスブックでも繋がる友人ですが、数年前には私のサロンにてプロフィール写真の撮影などをお願いしたご縁などもある方です。

ビジュアルにも開放的にもデコレーションされたトイレと言う空間を撮影ロケーションに於いて行われる「トイレの花道」(現在はトイレの色道)では、トイレと言う密室にありながら、活き活きとした女性の表情、南国のラテンのリズムさえ感じさせるかの様な女性の姿を撮り上げてしまうGotoさんの撮影は見事なものがあり…「何となくの一枚」や「東京の風景」などの作品も叙情的なものさえ感じさせ好きなphotoでもあります。

昨日はこれまた不思議なご縁と言うもので…先日私の友人の女性が、Gotoさんの「トイレの色道」にモデルで出演しているのをフェイスブックのタイムラインで見かけた事から(後にフェイスブックより削除)他の方と共に私のところへヒーリングセッションを受けに来られた折りに昨日のイベントの概要を聞き、この日の運びとなったものです。

この「私たちは消された展」のパンフの挨拶文末尾にある「作品もそうですが、消されても消されても懲りない出展者の面々も展示物としてご覧下さい」の言葉の通り、Gotoさんを初めとするプロのカメラマンの方達の作品の経緯などの語りが面白く、10名の出展者それぞれのプロフィールと云うものも一筋縄では行かぬ個性溢れる方達ばかりです(笑)フォトグラファーもアーティスト、芸術家に違いなく、写真もジャンルによっての違いはあるのでしょうが…繊細な感性が求められる世界であり、独特な世界観、人から見れば時にある面狂気とさえ思えるものを表現する事によって多くの人の評価や共感を得る事もある世界に違いないのです。

撮影し実る時もあれば実らない時もある、経済的な成功などもどこかしら蚊帳の外で、好きな媒体を追っかけ、改心の作品を自分の胸にいつかは消えて行ってしまう…私が極道当時、そんな事を話してくれたプロのフォトグラファーがいたものでしたが、どこかしら堅気じゃないその「滅びの美学」に当時はシンパシーさえ感じた私でもありました。

アート、フェティシズム、アブノーマル、自撮りポルノまで、フェイスブックより削除された作品が並ぶ展示会、撮影者達のユーモア溢れる話しに笑いさえこだましていたものでしたが、そこはかとなき緩やかな反骨と言うものさえ飾られた写真から発されている様な気がしたものです。

それにしても若い女性がたくさん訪れていたのには少々驚いた愚僧であります。( ̄0 ̄;

※会場にて撮影家の皆さん同行した友人達と共に

※終了後は神田神保町で評判の店「マンダラ」で同行した友人達とカレーを食べましたがカレー、ナン共に最高でした

以下「私たちは消された展」パンフより引用です。

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昨今SNSより作品を発表する場は増えました。しかし、作者の意図に反しAIや通報によりポルノ(性的な)と判断され、アカウントの凍結や削除、警告を受けてしまいます。

笑い話しのようですが、旧石器時代に制作された『ヴィレンドルフのヴィーナス』が猥褻な画像、危険なポルノとしてフェイスブックで削除されるという騒動もありました。

いつの頃からか猥褻、猥雑なものを忌み嫌い、臭いモノには蓋をするように封印する傾向を感じます。

美しい裸体にアートやポルノの違いがあるのでしょうか。

【中略】

本展示はアートだのポルノだのを論じる展示ではありません。凍結や削除、警告を受けるような作品を発表する作者がずれているのか?これを問いかけるのが本展示の意図であります。

作品もそうですが、消されても消されても懲りない出展者の面々も展示物としてご覧下さい。

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                合掌

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