※セッションの経緯など了承を得た上で掲載しています。
私はヒーラーや密教僧としてのヒーリングセッションや加持祈祷の他にも家庭内暴力や引きこもりの子供を持つご家庭のサポートをさせて頂く時があります。
下記のメッセージをくださったNさんは、数年前に家庭内暴力(特に母親に対しての攻撃)や奇声や奇行が顕著となったご子息Y君の事で悩み私のサロンを訪れてくださったものです。近親の方が亡くなった直後よりY君の引きこもりや暴力が始まった事などから、息子であるY君が憑依や霊障を受けているのでは?とのお話しから、遠隔加持を私に依頼されてきたものですが、私には当初より現場に出向いてのY君へのカウンセリングなり心のお手当てが必要な事が直感に訴えてくるものがあり、 それを父親であるNさんにお伝えしたものです。
でも、誰しも自分の子供の閉ざした引きこもりの状況など人目に晒す事なく、憑依だとか未成仏や未浄化の霊の障りなど外部からの要因でこうなったと結論付け、憑き物でもひっぺがす様にさっさと他者の力を借りて状況を改善し、記憶の片隅に追いやりたいと思うのも人情と言うものかも知れません。
でも、加持祈祷(ヒーリングも同様)などと聞くと、収める、鎮める、取り去るなど、人間の都合の良い様にばかり作用するかの様な響きがありますが、親子間などで向き合うべき課題やカルマがある時など、かえって親や子供のエゴを炙り出すかの様な荒い事象を発生させるかの様に思える時があり、こちらに問題の本質を教えてくれる時があるものです。
たとえば…親がまたその親から受けた躾や教育方針など「私も親からその様な躾を受けたのだからこの子だって当然そうあるべき…」と、どこかしら自分の子供には沿ぐわぬ罪悪感を覚えながらも施してきた事などに、今までに無い反抗や逆ギレ、物を壊す、親につかみかかるなどの反撃を子供から受ける場合など、こうしたケースでは親側はアイデンティティーを喪失したかの様なショックで、今後どの様に子供に接したらよいか分からなくなってしまい、茫然自失となってしまう親御さんも多いものです。
私が初めてNさんのお宅を訪れた時も全くその様な状況でした。
玄関から入ると家の中はふすまといわず壁と言わずY君の暴力によってボコボコと穴だらけ、母親が玄関に立つだけで怒声と共に物を投げつけ家の中には一歩も入れない状況が何年も続いており、Y君の暴力を恐れ母親である女性は次男と共に別居していたもので、住む家と言うのはそこに住む人間のオーラを現すといいますが、破れた障子の穴を修理すればその上から拳で穴を開けられてしまうその無残な姿に、家長であるNさんの憔悴が映し出されている様でもあり、停滞し淀んだ氣を感じるばかりの私でもありました。
Y君は都内有名私立大学に在学中でもあり、引きこもりの為単位が取れず留年を繰り返しており、この引きこもりの間に車や電車など乗り物に対するパニックを伴う極度の恐れも見せる様になっていたもので、家とコンビニの往復だけを繰り返す日常でもあった様です。
こうした状況でY君やご家族へのサポートを開始した私ですが、遠隔加持やヒーリング、カウンセリングなども駆使して行うそれは総合的なセッションでもありました。
Y君は確かにガッチリとした体格にどちらかと言えばコワモテ風情なのですが(笑)憑依を受けやすい体質でもありました。でも、憑依と言うと不可抗力で他者の霊体が勝手に入り込んでくる様なイメージですが、本物の霊媒師やチャネラーなどそれを職業としている人は別としても、やはり憑依される側にも原因があり、何らかの恐れや執着などのパターンが他者のエーテルを引き寄せる磁石の役割を果たしてしまっている場合もとても多く、憑依がイヤだと言いながら、憑依されている存在とのコンタクトや会話を楽しんでしまい、その状況から脱せぬものを自ら作り出してしまっている場合などもあり、色々なケースがあります。
私がサポートを開始し少しすると、母親が家に来る事にも段々と柔和な態度を示す様になったY君でしたが、それでも時折母親との些細なやり取りから感情をバーストさせ、母親を罵り、ペットボトルなどを投げつけ物を壊す、壁に穴を開ける、仏壇の中に手を入れ位牌を投げ付けるなどの行為に及んだもので、暴力大将の様に家に居座るY君、さらなる暴力を避ける為ファミレスで深夜私の到着を待つご両親より連絡を頂く事なども当初は何度もあり、事情を聞いた後でファミレスにご両親を残したままY君の待つ自宅に行き話を聞くのが常だったものです。
どうしようもない葛藤や怖れがあればこそ家の中の物を壊し、親にも手向かうもので、落ち着かせた後でY君の話を聞くと、人との交流を絶って数年経つ影響もあってか、次ぐ言葉が見つからないもどかしさを見せながらも、ご両親にも話していない様々な心の傷、トラウマとなっている事を私に話し出したもので…高校時代の恋愛体験を同級生に馬鹿にされた事や、部活でのイジメなどが心の傷となっており、高校卒業後約10年近く経過していても、今いる自宅まで自分をイジメた人間が襲ってくる恐怖が頭をもたげる事、そうした場合に両親では自分を守る事が出来ないと言う無力感とも喪失感ともつかぬものがある事なども私に話し出したもので、車や電車に乗車する事へもパニックになるほどの恐怖を感じるのもみな連座している事の様に私には見受けられたものです。
心療内科などを受診すればY君の状態はほぼ間違いないなく統合失調症の診断が下され、向精神薬を処方され投薬により、かりそめの落ち着きを得る事は出来るに違いありません。
でも…私は私が関わる今の内に自らの力で怖れに向き合い怖れを軽減、消除する何物かをY君に手渡してあげたい思いでいっぱいであり、こうした事からグラウンディングなどもY君に教えて差し上げたものです。私が教えるグラウンディングは地球の中心と繋がり安定するばかりでなく、メンタルイメージの浄化、もっとわかりやすく言えば日々発生する様々な感情や葛藤、恐れ、過去の出来事の「画像」や未来への不安をクリアリングする技法も教えるもので、これを実践する様Y君にすすめると、意外や真面目に取り組み月日と共にY君のオーラが穏やかなものに変容していくのが分かったものです。
こうした事から電車や車に乗車する事へ恐怖を見せるY君に同行する形で電車や車に乗り、安心感を失わぬ様リラックスさせサポートしながら動く電車や車の中で湧きあかるパニックへの誘惑を消除するワークなどにも取り組ませたもので、乗り物への怖れも見事に克服して行ったY君でした。これは高速道路など他県への長距離のドライビング、また揺れる船の上などでもトライしクリアにして行ったものです。
またこうした事から手付かずとなっていた留年していた大学へも教授の個別授業と言う形で大学側の了承を取り付け私が大学までの送迎を引き受け、卒業を目指し再登校へチャレンジしたY君でした。初めの頃こそむずかる様子を見せていたY君でしたが、私にはワガママは通らないと観念したのか(笑)殊勝な顔で大学へ通学しだしたもので、自宅では父親であるNさんと共に教科の復習や試験対策にも励み、その甲斐あってか無事卒業する事が出来たもので、この時ばかりはY君やご家族の皆さんと肩を叩きあって喜んだものです。
でも…私にはこの家族と別れの時が訪れていました。無事に大学を卒業し、まだ時折、殻にこもる様子などは見られたものの、母親への暴力や家の物を壊すなどの暴力のパターンも消え、円満な親子の会話も出来る様になり、乗り物への恐怖もクリアにした事から親子で遠出の旅にも行ける様になったY君…当初、母親への暴力の消除、大学の卒業迄と言う父親であるNさんとの約束は充分にクリアにされていたものですが、ここに来て私は葛藤を生じさせてしまいました。
それはN君の就職まで見極めサポートしたいと言う想いであり、確かにセッションしてサポートして引きこもりの若者が大学を出て就職にまで漕ぎ着けたとあれば、昔に生きた極道当時の物の言い方で言わせて頂くならそれは「カタのいい事」でもあります。
※カタがいい(カッコが良い事)
形式美や形やスタイルにこだわる人間を「カタ師」と呼ぶ事もありました。どこかしら上っ面の体裁ばかりを気にし取り繕う人間を揶揄する隠語でもあります。
でも、それも私自身のエゴ、たとえ状況は相も変わらずの引きこもりでも、何年も離れていた母と子なのだから熟成する時間があっていいではないのか?それを杓子定規に何らかの仕事なり職業についていなければ真の自立とは言えないと考えるそれは…世間一般の概念であるばかりでなく、Yと言う若者が母親のそのまた母親から継承している「子供とはこうあるべき」と言う鋳型に抵抗を示したそれを形を変えて採用している事に他ならないのではないのか?と言う、内なる教師の声が聞こえた様でもあり、そんな小さな疼きを感じる自分自身を赦し、このご家族へのセッションを終了した愚僧でした。
※上記のセッションは2年程前に終了しています。
以下、若者の父親Nさんより届いたメッセージを転載いたします。
(了承を得た上で掲載)
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正仙様
こんばんは。
大変ご無沙汰しております。
お元気でお過ごしでしょうか。
お陰様で〇〇は、一人で通院しながらケアサービスの方とも普通に話ができるようになり穏やかな日々を過ごしております。
家の手伝いもするようになりました。
週末は3人で車で〇〇に行きました。〇〇神社では午前中雷雨でしたが、午後から小降りになり無事参拝できました。
過日一緒に参拝に同行いただいたことが昨日のことのように感じられました。
未だ家におり仕事には行っていませんが、最近はJリーグのサッカー観戦等外に出る機会も増えて家内とも良く話をしています。
酷暑の折、お身体どうぞご自愛ください。
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合掌