龍の氣が宿る棒とは?

 
 
お不動様のご縁日などで真言宗のお寺を訪れた事のある方なら、護摩炉に火が入る前など、お坊さんが細い木で出来た棒を、まるで音楽の指揮者がタクトを振る様な所作をして振っているのを見た事があるかも知れません。
 
または、仏像や仏壇の開眼やお葬式等の儀式で目にされた事のある方も多いのではないでしょうか。
 
 
写真にもある肌色をした一見何の変哲も無い木の棒ですが、これは散杖(さんじょう)と云う法具で、香水加持(こうずいかじ)と云って、香水(御香を含んだ水)を加持(浄化)して内外に注ぐ…
 
この時タクトの様に散杖を振る密教僧は御本尊である仏像などを聖なる水で清める観想をするのが習いでもあります。
 
日々、遠隔加持を修法する私なども、加持祈祷を依頼されてきた遠くにお住まいの願主の方や、そのご家族の方々の姿、時には土地や家屋や室内まで、第三の眼で見る様に、乳白色からゴールドの清浄な液体で清める観想は必ず行うものであり、たかが細き棒なれど、何年と使い込んで行く内に愛着の湧く法具でもあるのです。
 
材質も梅の木や柳、白檀を用いるものですが、先端には、はた目には分からぬ様に自分の流派を現す紋様が刻まれていたりもします。
 
ある時、壇に座る私が何故か龍を握っている夢を見たもので、手に持ち散杖の様に振るその龍の口からは、乳白色の液体が噴霧されていたもので、夢見も鮮やかだった事から「龍の形をした散杖を作っても面白そうだな」と思ったのでした。
それから間もなくして、たまたま他県出張時に於ける土地家屋の浄化で用いた得度以来使ってきた白檀で出来た散杖が忽然と消える様に無くなってしまう事がありました。
 
不注意とかそう言うレベルの話では無く、散杖は日々のお勤めでも使う大事な物でもあり、しっかり収納したはずが無くなっていたもので…
何をどうとは書きませんが、私の様なお仕事をされている方の中には、あるべき物が忽然と消える、または無くなっていた物が脈絡の無いとんでもない場所からテレポートするかの様に現れると云う経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
 
でも、これもタイミングなものを感じ、私の友人の女性ヒーラーが以前紹介していた宮大工の方が作る木で出来たヒーリングワンドなどの見事な作品群を思いだし、この宮大工の男性とも会った上で散杖の意味を話し理解してもらった上で、「あなたが思う龍そのままに一本彫って欲しいと」オーダーしたのでした。
 
 
それからしばらくして連絡があり、手元に届いたのが、写真にある私が手に握る黒っぽく螺旋を描くそれで、これを制作した宮大工の「しんや君」の作品はスパイラルに特徴があり、材質は黒壇、手に持つとしっくりと私のイメージしていた龍神の氣が通う散杖がそのまま来た感じでした。
 
 
 
 
彫りもほぼ半ばで左回り右回りと螺旋が逆回転になっている凝り様、作者は職人気質と枠に囚われぬ自由人を割って足した様な無邪気な人柄の方ですが(笑)作品を彫り始めると何かに憑かれた様に考える事なく造作をして行く様で、陰陽から男性性と女性性の統合までを無意識下から浮かび上がるままに作品に彫り込んで行く様です。
 
 
 
心なしか…龍の散杖で清めると、いかつい自坊の本尊達も気持ちよさげな顔をしている様に見える愚僧であります。
 
                  合掌

 

 

 

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