最近、「父と暮らせば」と言う邦画のDVDを借りてきて見ました。
宮沢りえと私の大好きな俳優だった、故原田芳雄の二人芝居とも言える内容でしたが、原爆投下から3年後の広島を舞台に、原爆の轟音のトラウマから、雷の音に怯える娘の元に原爆により死んだはずの父が恋の応援団長として現れるところから物語りは始まるのですが、大好きな親友を原爆で失ってしまった悲しみ、その遺族から「なんであんただけ生きとった」と罵られたトラウマ、そして何よりも燃え盛る家の下敷きになっていた自分の父親を助け出す事の出来なかった自分を責めて、生きる価値さえないと闇を抱え込んでいた娘、でも、原田芳雄演じる亡き父が、「二人で死んだらとも倒れやないか!と…
固く閉ざした娘の心を、時にはユーモアを交えながら溶かし、娘の心が癒されて行く過程が描かれていて「ありがとうありました」と広島の方言で父親への感謝を現す宮沢えりの演技にも素晴らしいものがありました。
太陽が百個も降ってきた様だったという広島への原子爆弾、この映画にも出てくる「原爆瓦」とは、原爆の4000度とも言われた熱線で、瓦の表面の塗料が、さざ波を打ったかの様に同じ方向に溶けて無数のトゲが出来ているものを指しています。残酷な描写などはありませんが、ところどころに原爆の記録写真なども挿入されており、戦争、原爆、親子と広いテーマにアプローチする内容であり、夏休みの今、親子揃って見ても良い映画の様な気がいたします。
ぜひご覧になってみてください。
合掌