アップル創業者スティーブ・ジョブズ、下記の引用は成功も富もケタ外れと言われた人の末期の言葉だけに心に響くものがあります。
お金を増やす。お金に働いてもらう。飛躍的に進む時代に遅れを取らぬ為、飲み込まれぬ為にもそれは大切な事かも知れません。
地獄の沙汰も金で決着をつけ、言い換えるならそれらの事を買えてしまう…それは私が過去にいたアウトレイジな世界でも顕著に見られた事でもありました。
下記の引用の中でスティーブ・ジョブズも言っている様に、人は死を目の前にして走馬灯の様に人生を振り返る事など、死に直面した人間に訪れる事としてよく言われる事でもあります。
スティーブ・ジョブズのこの現世、肉体レベルの現実と思われるこの世界に於いて、成功と見る事象に於いて私などは足元にも及ばぬものがあり、私の体験を書き込む事など本来憚りを感じるべき事なのかも知れません。
しかしながら、死を目の前にした時、それまで纏っていたものが剥ぎ取られる様に、湧き出る自分の素の感覚、見栄や虚勢を取り払った自分自身の人生との関わりに向き合わされる事に於いて人は同じに違いないのです。
私なども、極道世界で生きた若き日、当時は大抗争の最中、勲章欲しさに西に東にヒットマンとして潜伏する生活が続いたりしていたものですが、小康状態からそうした任から少しの間解放され、緊張が緩んだ事から魔が差し、覚醒剤(クスリ、ポン、シャブ、ネタとも呼んだ)の多量摂取と言えば聞こえは良いのですが、１日の内にブンブン覚醒剤を注射したもので、それにも関わらずいっこうに覚醒剤特有の効き目が現れない事から、売り子(密売人)にクレームをつけて金をふんだくってやろうとホテルに帰ってきた早々…
口から心臓が飛び出すかの様に胸があぶり出すものを感じ、チカッと、電気が切れる様に意識が飛び、死線をさ迷い幽体離脱などもしたものです。意識が混濁する中で走馬灯が駆け巡ると言うよりも、記憶の隅々を引っ張り出されて突きつけられているものを感じた私でした。
内観は自分の思い込みを外して物事を内省する事でもありますが、ただただ母親にとって涙の種でしかなかった自分の傲慢な生き方、幼少の頃から見てきた酒乱の父親を憎む事で、父親の弱さを見ようとはしない自分のすり替えまで、普段は自分の信念やエゴで押し込めていたものが、幼少の頃の風景から今に至るまでの情景と共に頭の中で万華鏡の様に映し出されていたものです。
当日会う事を約束していた不動産屋の友人にホテルのルームナンバーを教えておいた事が幸いし、虫が知らせた様にその人間がホテルのフロントマンと部屋に踏み込んできてくれ、救急車など手配してくれた事から一命を取り止めたのでした。
その他、神秘的な体験などもあり、本来ならここで改心して僧侶になるなり精神世界へ踏み出して行っても良かったのでしょうが(笑)全的な経験とはならず、こうした体験を封印してまた当たり前の様に極道の世界に帰って行った私でした。
でも、ホテルの一室で倒れ幽体離脱など繰り返している内に分かった事があります。
それは…
「人間は肉体を離れても意識は間断なく継続して行く事」
(真の意味で死は無いと言う事)
「身体を離れた時は全く時間の概念が無かった事」等々でした。
ましてや、「いい車に乗っていい女を連れて金を稼いで喧嘩して威張って歩いて」などと言う不良少年のヤクザへの典型的な憧憬、動機を為す見栄や虚勢の部分などに思いを向けられる事はただの一瞬も無かったものです。
守銭奴と呼ばれる人間が、死を目の前にした病床にあっても、金銭に執着を示し、寂し過ぎるその姿に周囲を悲しませる事なども極道当時見聞きする事などありましたが、人生に何物を求めてきたのかは、死を目の前にした時、あからさまに周囲に表現されたり(死を目の前にした姿を通しても)人知れず自分の中に去来するものだと思います。
残る子供の為にファミリーの為に財産を残す、その為にもしっかり生きている内に稼ぎ成功を収めると言う考えもありますが、これも良かれと思って旅立った当人の思惑とは別に、家族間で故人の財産の相続の争いを生む事も多く、残された家族が末永く幸せになるどころか、心を病む様な兄弟や姉妹の決定的な相克を生み出すケースもまた多い事…
極道当時も僧侶ヒーラーとして人様のお話しをお聞きする今も変わらずお見受け出来る事でもあるのです。
そんな事を思えば、多大な負債を残されるのも困りますが(笑)残された家族や親族を地獄の餓鬼に落とし込める程の財産など残さぬ方がよほどスッキリしており、ほどよく人生を楽しんだ達人と言えるのではないのかと思ったりもするものです。
あらゆる成功の軌跡も富の遍歴もいずれは無常を描き形を変えて行ってしまいます。科学の分野でもこの私達の生きる世界が「光学的幻想」である事が言われる時代、いわんやスピリチュアルな分野でも「体験型の劇場」「幻想世界」であるとする考えが年々広まりを見せているものを感じたりもしますが…
それでも私達人間は生まれて初めて出会う両親を始めとして、人を通して良くも悪くも感情の虜になり快、不快の波を繰り返し、葛藤を生じさせる生き物の様です。
でも、どんな成功を収めても…幸せに溢れているかの様でも、一点だけ満たされぬ心の疼きを人間は抱えて生きて行くもので、極道当時から私は完璧に癒されている人間などいない事、斜に構えた天の邪鬼な視点の中にもどこかしら分かっている様なところがありましたが、それが「分離意識」と呼ばれる、神(宗教上のでは無く)から切り離されてしまったと錯覚している無意識下に組み込まれた途方も無い罪悪感にある事をスピリチュアルな気付きと学びを深めて行く中で知ったものです。
こうした怖れをその人なりのバージョンで病気や事故、トラブル、暴力、対人不和、葛藤、疎外感などで体験して行くもので、常に人の影がそこには伴っている事に於いて共通するものがある様です。
そうした私達人間には、常に物事の原因は外にあるものと思わせる因果律(エゴ)が働き、心の平穏から人を遠ざけ、対立や競争、葛藤を生じさせるプログラミングが為されている世界がこの娑婆(しゃば・人間世界)の姿と言うもので、宇宙大好き、この地球を楽園と考えるスピリチュアリストには申し訳ないのですが、釈迦もキリストもこの世界を楽園だなとどは決して言ってはおらず、至福は自己の内面に見出だされる事であり、この幻想世界の実相を知り、覚めていずれは出て行く(輪廻を断つ)事を勧めているものです。
そこには人生そこかしこに登場する人との関わりに於いての赦しのレッスン、赦しの姿勢が大きく問われている事、人間歳と共に肉体は劣化し、病気を発症させるのは自然な事とも言えますが、死と形容される一つの「移動」を目の前にして、心安寧にしてそれを受け入れる事が出来るのは、この人間関係に於ける赦しの姿勢、それは自らの癒しにも直結している事でもあり、大と言わざるを得ません。
人間死期を悟った病の床にあって人との邂逅を振り返る時、離れるべくして離れた人の姿を理解しながらも、決別した人の姿の中にももっと自分が穏やかで相手を理解する事が出来たなら、今この場所からでも手を握り和解して旅立って行きたいと願う生き物なのではないでしょうか？
人生に意図したもの、人との関わりで何を選んだのか？何者であったのか？それだけが煩悶し問われる死を目の前にした人間の時間の様な気がしてなりません。
(下記アップル創業者スティーブ・ジョブズ氏の写真及び最後の言葉はWebより引用しています)
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私は、ビジネスの世界で、成功の頂点に君臨した。
他の人の目には、私の人生は、成功の典型的な縮図に見えるだろう。しかし、いま思えば仕事をのぞくと、喜びが少ない人生だった。
人生の終わりには、お金と富など、私が積み上げてきた人生の単なる事実でしかない。病気でベッドに寝ていると、人生が走馬灯のように思い出される。
私がずっとプライドを持っていたこと、認証（認められること）や富は、迫る死を目の前にして色あせていき、何も意味をなさなくなっている。
この暗闇の中で、生命維持装置のグリーンのライトが点滅するのを見つめ、機械的な音が耳に聞こえてくる。
神の息を感じる。死がだんだんと近づいている。。。。
今やっと理解したことがある。
人生において十分にやっていけるだけの富を積み上げた後は、
富とは関係のない他のことを追い求めた方が良い。
もっと大切な何か他のこと。それは、人間関係や、芸術や、または若い頃からの夢かもしれない。終わりを知らない富の追求は、人を歪ませてしまう。私のようにね。
神は、誰もの心の中に、富みによってもたらされた幻想ではなく、愛を感じさせるための「感覚」というものを与えてくださった。私が勝ち得た富は、私が死ぬ時に一緒に持っていけるものではない。
私があの世に持っていける物は、愛情にあふれた(ポジティブな)思い出だけだ。これこそが本当の豊かさであり、あなたとずっと
一緒にいてくれるもの、あなたに力をあたえてくれるもの、あなたの道を照らしてくれるものだ。
愛とは、何千マイルも超えて旅をする。人生には限界はない。行きたいところに行きなさい。望むところまで高峰を登りなさい。
全てはあなたの心の中にある、全てはあなたの手の中にあるのだから世の中で、一番犠牲を払うことになる。
「ベッド」は、何か知っているかい？シックベッド(病床）だよ。
あなたのために、ドライバーを誰か雇うこともできる。お金を作ってもらうことも出来る。だけれど、
あなたの代わりに病気になってくれる人は見つけることは出来ない。
物質的な物はなくなっても、また見つけられる。しかし、一つだけ、なくなってしまったら、再度見つけられない物がある。
人生だよ。命だよ。手術室に入る時、その病人は、まだ読み終えてない本が１冊あったことに気付くんだ。
「健康な生活を送る本」
あなたの人生がどのようなステージにあったとしても、誰もが、いつか、人生の幕を閉じる日がやってくる。
あなたの家族のために愛情を大切にしてください。
あなたのパートーナーのために
あなたの友人のために。
そして自分を丁寧に扱ってあげてください。
他の人を大切にしてください。
スティーブ・ジョブス
1955年2月24日 – 2011年10月5日
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諸行無常
