※社会通念上不適切な表現や描写がある事をお許し頂きたいと思います。
「感情を味わいつくす」と言うワード、ここ最近、スピリチュアルな世界で云われてきた事でもあります。
例えば、毎月のやりくりがきつくてついイライラしたりで、夫や子供にも辛くあたってしまう自分…
そんな時、自分の感情を味わいつくし、内観するが如き気持ちになって見る、そうすると自分自身に貧困への恐れ、もっと深いところまで突き詰めていけば、身体を失うおそれ(死への恐れ)がある事などが分かったりで、「あーっ…私も緊張しながらも一生懸命頑張っているんだよね、リラックス、リラックス、少しは自分を労ろう」なんて、束の間のリラクゼーションとしての効果はあるかも知れません。
私はかつては極道の世界にいた人間で、綺麗ごと抜きで、極限に立たされた時の人間の感情の変転は随分と見てきた様な気がします。
振り返ってみれば、男女関係なく、人間性や人としての尊厳を喪失させるくらいの暴力を受けたり、逃げ場がない程に追い込まれ、恐喝され憔悴しきった顔や混乱の最中にある人間の姿と言うものも随分とその世界にいる時は見てきました。
「ヤクザ者、我は世間の黒子なり」と、そんな日陰者の矜持さえ当時は持っていたものでしたが、でも、それは人の人生にコントロールを及ぼす事が出来ると言う、自らの傲慢さを裏付けるものであり、自らのこれまでの体験を通しても、ヒーラーの私の元を訪れる方のケースを通しても「人のオーラに踏み込む者はまた自らも踏み込まれる事に於いて等しい」ものがある事、今では確信となっているものがあります。
エゴが投げ付けてくる地獄の沙汰はある日突然やってきたりするものです。
まだ私が裏の世界に棲んでいる頃、私の元にある男性が知人を介して訪ねてきたものです。
この男性、憔悴しきった様子で、自分が信じていた妻がいつの間にか自称ヤクザだと言う覚醒剤の売り子(密売人)とデキてしまい、夫である自分の会社の弱味を寝物語そのままに間男であるこの男に話してしまい、それをネタに脅され、自分の妻にそれをなじり、詰問すれば「私は何も話していないし、その人とはお話ししただけなのに何の言いがかりをつけるわけ?あなたを愛しているのよ、あたしが信じられないワケ!?」などと、年上で、惚れて結婚した男の弱味を見透かす様に逆ギレされる事なども話し始めたものでした。
真面目な企業人としてのキャリアを積んできたこの男性からすれば、青天の霹靂を通り越した様な出来事に、いたたまれずに警察に飛び込もうとすれば、妻と内通している相手の男からは…
「上等だ!サツタレ(警察に通報)して見ろや、あんたの女房、まだこの数日前にラブホで俺と一緒にネタ(覚醒剤)食って、まだしっかり身体に薬残っていると思うがな、それがめくれて(発覚)いいならよ、これからでもさっさとイケや、何ならこっちから警察に電話してやってもいいけどな?どうすんだよアンタ、それに今の言い分が気に食わねえや、上乗せで百万持ってこいや!」と自分の妻との情事さえも明らさまに脅され、詰められてしまい、そんな揚げ句にこの方は当時極道だった私に解決を求めて頼みにきたものです。
私の目の前にくると、今回の出来事で、体重も一気に10キロ近く減り、「胃に穴が開いているのではないかと思います」と腹に手を当てながら、激痛を訴えるこの方でしたが、それでも何年も一緒に暮らした女房は信じたいと話すこの男性であり、気の毒とは思いながらも…
「気の毒な事言う様だけどな、今こうしている間も、アンタの女房、相手の男からしっかり薬パンパンに入れられて慰みものにされているの分かっているのか…?薬にボケて男を裏切る様な女は、まず二度三度とクセになるもんだぞ、今回の話が終わったら、悪い事言わねえから別れちまいなよ」とこの方にすれば残酷な事も言った上で、相手の男には親戚だと偽り連絡してファミレスに呼び出したものです。
相手の男はまさかヤクザの介入があるとは夢にも思わず、親戚がやむにやまれず仲介に入ったものと思い、あわよくば間に入った人間も脅して恐喝の種にしてやれとおっとり刀で現場に現れたのかも知れません(笑)
私は当事者である男性を脇に置いてこの男を眺めると、私と同年代と思われ…「シャブよれ」と当時よく呼んだ、ポン中(覚醒剤中毒者)独特の様相で、服役の体験もあるであろう、ヤクザには成れぬ、かといって裏社会に連なる事でしか生きられぬ人間の垢もそこに感じたものでしたが、私と相対した途端にこの男「これはヤバイ」とばかりにソワソワしだしたものでしたが、逃がすわけには行きません(笑)
私は開口一番「オイッ、このクソガキッ、よくもウチの『相談役』をカタにはめてくれたの!どうケジメつけれくれるんじゃコラッ!ポン中風情がヤクザを語るな馬鹿タレが!」とカマシたものでしたが、ここで言う「語る」と言うのはヤクザでもないのに、ヤクザであると吹聴する事を指しているもので、ファミレスで周りに客がいるのにも構わずに私はこの男の頭を三発ほど張り飛ばしたものです。
「スイマセン、勘弁してください、僕は堅気です」と泣きべそになるこの男でしたが、脇に座る男性に後々面倒が起きても困るので、一応背景にいるヤクザの名前をうたわせ(白状)た上で「オイッ、どうすんだお前、これ以上この人にイタズラ(恐喝)仕掛けて奥さんに薬放り込んで関わるなら、お前の兄貴分に今ここから電話入れてケツ取りの話し向けるけどな、どうすんだよ!」と一括すると「それだけは勘弁してください」と言うこの男でしたが、この男の携帯から脇に座る当の本人である男性の妻の履歴、携帯の番号、メアドなど全て削除し、男性への恐喝を取り下げさせ、この男性の妻も含めて二度と接触を持たない事などを約束させた上で相手の男を開放したのでした。
当時は私も裏社会の住人で、慈善事業をしていた訳ではありません。依頼主の男性からはしっかり礼金を貰った上で、尚且つ相手の男からも、もしくはその兄貴分へも逆因縁(さかいんねん)をつけてしっかりペナルティー(金銭)をとってやろうと思わなかった訳ではありませんてしたが、相手の男を追い込めば、逆に警察に飛び込む脆さも感じやめたものです。それは当時の私からすれば慈悲だとか優しさだとかそんなレベルのものではなく、油断ならぬ裏社会を生き抜く為の嗅覚がもたらす所作でもあったのです。
この依頼主と数年して会う機会がありましたが、結局この件が原因で女性とは別れたとの事、「その節はお世話になりました。あの件で頭が一気に白くなった様な気がします。アイツ(女性)と一緒になっていいときもあったのに、何であんな事になったのか?今でも思い出すと辛くて寝れない日があります」。と話してくれたものでしたが、当時は私も極道世界の住人で「このオッサン、相変わらずおぼこい事言いやがるわ」くらいにしか思わなかったものです。
ちなみに絶望を感じると髪が一晩にして真っ白になるなどとも言われますが、一晩とは言わずとも、刑務所に収監、服役する事へ絶望を感じ、まだ若くして頭が真っ白になってしまった人間などもいたものです。
以上の件は極端な例で、スピリチュアルで言われる「感情を味わいつくす」と言う事とは一見、関係なき事の様に思えるかも知れませんが、冒頭の「画像」が強烈なものだと、猛烈な恐怖、それが身体へ投影され、様々な発作や症状として現れたり、他者への攻撃、自傷行為から自殺への誘惑など自己破壊に向けるものがある事、どこまでも人間とは弱くも正直な生き物でもある様です。
自分自身が人生と呼ばれるものの中で、不快の波は勿論、どうにも理由が見当たらない理不尽な狂気、塗炭の苦しみをもたらす出来事さえも、自らが全てこの世界に生まれてくる時に「エゴとの契約」から事前に決定し、スケープゴートしている事が真実の様です。
人生に往々にして現れる不快の波も、その都度、感情を味わいつくし、観察すれば多少のリラックス効果が生まれてその影響は薄まるかも知れません。
でも、それを赦すこととは大きな違いがある様で、これだけでは真の心の平和、平安は訪れるものではありません。
その出来事、強い感情をもたらす出来事に於いて、必ず関わる相手や人がいるものです。
人間関係を真に赦すこと…
無意識から上ってくる罪悪感をよく癒すこと…
(自分に適したやり方で)
それだけが、画像からもたらされる衝動やそのほかの恐怖の症候群からさえも解放してくれる事、サバイバルな極道の世界から抜け出て、現在は密教僧侶ヒーラーとして活動する私が、自身の体験からも骨身にしみて感じている事でもあります。
合掌