大事をなそうとして力を与えてほしいと神に求めたのに
慎み深く従順であるようにと弱さを授かった
より偉大なことができるように健康を求めたのに
より良きことができるようにと病弱を与えられた
幸せになろうとして富を求めたのに
賢明であるようにと貧困を授かった
世の人びとの賞賛を得ようとして権力を求めたのに
神の前にひざまずくようにと弱さを授かった
人生を享受しようとあらゆるものを求めたのに
あらゆることを喜べるようにといのちを授かった
求めたものはひとつとして与えられなかったが願いはすべて聞きとどけられた
神のみこころに添わね者であるにもかかわらず
心の中の言い表せない祈りはすべてかなえられた
私はあらゆる人の中で最も豊かに祝福されたのだ
この詩の作者は無名の一患者だそうです。私にはこの詩が単に病者を慰めるものなどではなく、誰しにもバターンや程度の違いはあっても一様に経験する人生の必然が書かれている様な気がしてなりません。
かつては極道の世界にいて、力に溢れた人間さえも、明日には「その後」が信じられぬ様な形で訪れる事を垣間見てきた私にとって、人生讃歌の様なこんな詩に触れると、頭を垂れるばかりであります。
合掌