伊勢へ心の旅

つい先日、伊勢の旅より帰ってきました。

今回の旅は心のケアでサポートさせて頂いている若者と親御さんを引率しての旅でした。

真夏の照りつける様な陽射しの中、いにしえの時代より、伊勢神宮へ詣る際には浜禊をする事で知られる二見浦興玉神社を訪れた私達一行でした。

何度も伊勢を訪れている私ですが、潮の香のするこの神社はとても好きなスポットでもあります。

二見浦を後にした私達は外宮へ向かいました。

人はそれぞれ心の中に何らかしらの傷を持っていたりするものです。

心療内科に行けば統合失調症や境界などと診断される事例も「程度の問題」で、健常者と呼ばれる人間の心の内にも同様のパターンがあるものです。
私は医者ではないので、処方したり治療したりはしません。でも、病院の副作用の出る投薬や治療に限界を感じ、ヒーリングによる癒しを求めにくる方もいるのです。

今回同行した若者は、車や電車などに乗る事にとても強い恐怖を伴うパターンを持っており、ヒーリングやセッシヨン、自身にもグラウンディングを教えるなどして、エネルギー、心身の安定をはかり、私が運転して助手席にこの若者を乗せる形でのドライブセッシヨンを行い、普通に車に乗れる様になるまでなったのですが、スピードの出る高速道路は本人の中で未知のものであり、勾配のある坂を降る際など切迫した恐れが出やすいパターンを持っていた為になかなか遠距離への車での旅へは踏み切れないものもあった様です。

そうした事から本人の心理的負担にならぬ様に伊勢へ向かう際も東名を走る事なく国道をしばらく走り安心させていた私でしたか、本人のスピード感が麻痺したと思われた頃を見計らい、私の独断で高速道路に乗り、しばらく走ったところで私はこの若者に言ったものです。

「どうだい、〇〇君、高速道路の感想は？」と…

するといまだ下を走っていると思ったのか「えっ！？これって高速だったんすか？」とこの若者は豆鉄砲を喰らった様な顔をしたものでしたが、同時に恐れをクリアしている自分にも気付いた様でニンマリと微笑んだものです。

一つの恐れのパターンを手放す時、他の連鎖する恐れのパターンも消え行くケースも多い事等…私はヒーラーとしてお客様のケースなどから垣間見てきた事でもあります。

※太江寺山門と重要文化財指定の千手観音菩薩像

今回の伊勢の旅では、私自身の節目となる僧侶としてのイベントもありました。
今回ご一緒した若者や親御さんにも参座して頂き、太江寺の永田密山住職による護摩の炎が形を変えながら燃え盛り、伴僧長谷密賢氏による法楽太鼓の鳴り響く中、若者とすれば生まれて初めてと思われる五体投地や般若心経、不動真言を唱えるなど、勤行も体験してもらったのでした。

その後で永田住職のはからいで食事会となりましたが、その席にはやはり私と同じ様にかつては極道の世界に生き、昨年太江寺で得度し活躍している新垣玄龍氏も同席し、自分自身にも様々な恐れがあった事などをこの若者に話してくれたものです。

恐れが幻である事は手放す事が出来てはじめてわかるもの…
その恐れの最中にある時は未来永劫、不快なパターンから逃れられないのではと思えたりするもので、そんな時に似たパターンを克服した人の話しを聞くのは励みでもあり、自分ではない何かになるのではなく本来まるっとそのままでいい神の子としての自分の姿を思い出させてくれる様で、安心出来るものです。

翌日は内宮に参拝し、いつの間にやら背筋もキリッとニ礼ニ拍手一礼もさまになっている若者の姿に、閉ざした年月から脱し、自分を生きる決意も感じられた私でもありました。

帰りは帰省Uターンラッシュとはちあわせになる事を考え、鳥羽から豊橋の伊良湖岬までのフェリーに車ごと乗船したものでしたが、船上で恐れが発生しパニックになりそうだと私に訴えてきた若者でした。

私はそんな若者に「どうした？私が教えた事を試すいいチャンスじゃないか、これで車についで船もOKだな、船でハワイ旅行も行けるぞ〇〇君よ」と半ばおどける様に答えたものでしたが、この若者の背後に回り手をかざしヒーリングを始めたものです。それは周りにいた人達からみれば奇異な光景に映ったかも知れません。でも私にとってそんな事はどうでも良い事であり、出物腫れ物ところ嫌わずと言うことわざがありますが、この若者にとっての学びの場も、私にとっての聖なる道場も、四六時中全方位どこに用意されているかわからないのです。

少しすると落ち着いた様子の若者に「大丈夫だな？」と問うと「はい…」と声は小さくとも、確かな返事に「〇〇君が自分で恐れをクリアにしたんだぞ、忘れるなよ」と答えた愚僧でした。

話しは変わりますが…

先日、書きはじめてから5年半になるアメブロの読者が千人を越えました。私などは形式だけの読者申請はかえって失礼な事の様に思え、こちらから読者申請をしたのは百名と少ししかいません。それでも私の書く拙いブログに共感して頂き、多くの方に読者登録は勿論、今まで本当にたくさんの励ましのメッセージを頂いた事、この場をお借りして厚く御礼申しあげます。

最後に伊勢二見太江寺永田密山住職より、facebookに寄せられたコメントをご紹介したいと思います。