※イメージ画像と下記文章は関係ありません。
まったくお前たち人間の目はフシ穴なのか!?
私が手にする天界から持参したこの光り輝くヒーリングストーンを手にすれば、永遠の富が約束されると申しておるに、値段が付けられぬとはいったいどう言う事じゃ!
はいお客様、誠に恐縮でございますが、当方は質屋でございまして、貴金属や宝石ならともかく、人の念の入った石などはお預かりができないのでございます。それに申しづらいのですが…永遠の富を約束されている方ならば私どもの様な場末の質屋ののれんをくぐる事もないと存じ上げます。と、淡々と語る質屋の店子に…
ええい!どいつもこいつも、天界銀行の金を使い込んだアタイの立場がヤバイ事も知らずに勝手な事をほざいてくれるわ!今週中に金を詰めなければ、大天使さまから天界を追い出されてしまうと言うのに…と、
這う這うの体で質屋から飛び出した天使、次には上野広小路の大◯屋へと向かったものでしたが…
そこでも、またもや暖簾に腕押しな店員の対応に業を煮やしたのか?店のカウンターをバンバン叩きながら買い取れと迫るこの天使の姿に、一筋縄ではいかぬものを感じたのか?店側が通報し警察がきたものです。
「はいそれまで!『オネエサン』大きい声出しちゃダメですよ!ゴネてないで住所と名前教えてくれるかな?今日は警察署に泊まりになるけど、誰か身元引き受けとか頼める人いるの?」と矢継ぎ早な警察官の口調に…
「オ、オネエサンだって!?天使をつかまえていったい何を言うのこの唐変木め!」と怒り心頭の天使だったものですが…
「ははは!天使だって!?羽の生えたアレかい?それとも何かい?天使って、オネエサンが働いている夜のお店の名前かい?あんまり笑かさないでよ、オット気にさわったらごめんよ、オ・ネ・エ・サ・ン 」と嫌味たっぷりな警察官の言葉に…
「えっ!?羽が生えた天使って…?」と、この時初めて、天界の住人である証しの羽が消えていた事に気付いた堕天使だったとさ…。
( ; ゜Д゜)
私達に癒しさえもたらす、日頃の気付きや優しさも、些末な現実に目が眩んでしまう時、この消えてしまった天使の羽に同じものがある事、忘れたくないものです。
ちなみに若かりし頃など、グニ屋(質屋の事)には随分とお世話になった事もある愚僧であります(笑)
正仙劇場 合掌