※自坊如意輪観音菩薩です
如意輪観音は得度後「十八道」と呼ばれる一番初めの行法で拝む仏でもあります。
真言宗の僧侶は得度受戒が済み一定の期間を経た後、「四度加行 しどけぎょう」と言う修道のプロセスに入って行きます。
十八道→金剛界→胎蔵界→五段護摩法と約半年の加行を終えた後に伝法灌頂（でんぽうかんじょう）と呼ばれる即身成仏成就の認可、密教僧侶としての免許皆伝が成されるのです。
「神との対話」と言う一冊の本が私にもたらしたものははかり知れないものがあります。
その文章の一節に「この本を誰が読むのかも私（神）にはわかっている…最高のヴィジョン最高のバージョンで生きて行く決意が出来るかな？」と言う様なある面挑戦的と思える様な言葉さえそこには記されていました。
最高のヴィジョン
最高のバージョン
それは自ら「愛」として生きる事に他なりません。
この言葉はその当時も今も、私の高次の本質とでも呼ぶべき部分が事ある毎に私自身に問いかけてくる言葉でもあります。
最後の服役を終えて出所した私は極道の組織からは離脱したものの…流転を極めたのです。
学歴も無く、身体いっぱいに刺青も入れ、小指の無い私をそう易々と受け入れてくれる環境はありませんでした。
そんな私は生きんが為にアンダーグラウンドの世界に舞い戻っていったのです。
その頃の私にとって、「神との対話」もどこへやらと言うのが正直なところでもありました。
極道の組織に所属はしていないものの…闇金と呼ばれる高利貸しの用心棒や違法と合法の境界ギリギリのところで生きる日々が続いたのです。
そんな私の元には色んな人間が集まってきたものでした。
自分が所属していた組織の親分や兄貴分とのトラブルから組織を飛び出して来てしまった人間や…
何度となく、刑事事件を起こし、刑務所と娑婆の往復をしている懲役太郎（服役を繰り返す人間のあだ名）など…
個性溢れる懲りない面々達でもありました。
そんな中に私が「シゲ」と呼ぶ弟分がいました。
【つづく】
