伊雑宮を出発した私と密賢さんは路二見浦へと向かいました。
二見興玉神社です。
元旦の日の出スポットとしてあまりにも有名な興玉神社の夫婦岩ですが…
この興玉神社は今回私が御世話になった太江寺と御縁の深い神社でもあります。
元々二つの宮が合祀されて誕生した経緯があり、ひとつは僧行基が二見浦の裏山に太江寺を開山した時、その鎮守社として設けたのが興玉社…
もうひとつは現在神社の境内にある「天の岩屋」の中に祭られていた三宮神社を合祀して興玉神社としたそうです。
古来より伊勢神宮を参拝する者は、その前に二見浦で禊(みそぎ)を行うのが順序だったそうで…今でも興玉神社で無垢塩祓いを受ける慣わしが残っています。
御祭神は…
猿田彦大神
(さるたひこのおおかみ)
宇迦御魂大神
(うがのみたまのおおかみ)
綿津見大神
(わたつみのおおかみ)
猿田彦大神は天孫降臨の際に二見浦に現れ、天照大神を伊勢へ導いた神としても知られています。
夫婦岩です。
夫婦和合・縁結びにご利益があるとされ、霊峰富士を背景とした日の出や落日に映える夫婦岩の美しさは広く知られるところでもあります。
夏至の夫婦岩…他の方の写真より
満月の夫婦岩…他の方の写真をより
この夫婦岩の沖合700メートルの海中に鎮まる猿田彦大神ゆかりの霊石と伝えられる興玉神石(おきたましんせき)を拝す為に夫婦岩は鳥居の役目をしているそうで…
興玉神社の拝殿にて御祭神にご挨拶をすませたあとは、夫婦岩を通して沖合に鎮座している猿田彦大神に向かい心願成就や開運をお願いするのが良い祈り方かも知れません。
この夫婦岩を眺望出来るいたるところにカエルの石像が置いてあります。
天孫降臨の際に道案内を勤めた猿田彦大神は「道開き、導きの神」と言われ古くより信仰され、カエルはこの大神の御使いと信じられてきた為か…
参拝して御利益を受けた方が、カエルの石像を献納するためたくさんのカエルの石像が並んでいます(笑)
昔…私がまだ極道当時、ある方が大きなカエルの石像をユニック車に積んで事務所にプレゼントしてくれたものでしたが…当時は「何か縁起でもよいものなのか?」ぐらいにしか思わなかったものですが…笑
「貸した物がカエル」
「無事カエル」
「若ガエル」など…
なるほど…縁起の良い言葉でもあります。
竜宮社…他の方の写真から
八大竜王や弁財天がお祭りされていました。
水辺や海の側にある神社に奉じられている事の多い神々でもあります
寒風吹きすさぶ中…素晴らしい御神気を堪能した私と密賢さんは、再び太江寺へと向かいました。
太江寺・慈母観音像です。
おりしも太江寺に帰り着いた時は、御住職が留守でもあり、時間もある事から密賢さんと共に本堂にてお勤めをさせて頂く事にしました。
太江寺御本尊・千手観音です。
※室町時代に制作され国の重要文化財に指定されています。
密賢さんより御住職が日頃お勤めされる座布団をすすめられ…
「ゴ~ンゴ~ン」と金二丁を打ち鳴らし読経がはじまりました…般若心経から観音経、太江寺諸仏諸神のご真言を唱えていきます。
1200年前に僧行基により開山された太江寺は弘法大師も再三訪れ、真言の秘法を伝えたとされる真言宗の古寺であります。
大きな伽藍を誇る寺院ではありませんが、私はこの山寺燦然としたこのお寺がとても好きなのです。
御本尊の千手観音を見る時…人間の煩悩さえもその暖かい眼差しで見つめ溶かしてしまう様な暖かいエネルギー
観音様の持つ慈悲や慈愛、ハートチャクラいっぱいに暖かい気が満ちるのをご本尊を拝む度にいつも感じます。
太江寺の護摩壇です。
こうして太江寺をあとにした私は密賢さんに高速バスの停留所まで送って頂き帰途に着いたのでした。
翌日の早朝、家に帰り着くと真っ先にチビの元へ…
車中一泊二日の旅でもあり、多めにチビのご飯を仕込んで出かけた私でありましたが、さすが寂しかったと見えて…飛びかかる様に私に抱き着いてきた愛犬チビでした(笑)
「クンクン…パピーよそのワンコの匂いがするわね」
(-.-;)「それはだな太江寺のワンちゃんを抱っこしたからだよ」
「フ~~ン!そうなんだ」
(-.-;)「まぁそうすねるなよ…肉缶の三倍盛りで機嫌直してくれよ…」)
「わかったワン!早くエサくれワン!」
(-.-;)「…駆け引き上手な奴め!」
最近は雌豹の様なしたたかさをみせる我が家の愛犬チビでもあります(笑)
合掌