私が昔生きた極道の世界、何かにつけて『我慢』と言う言葉のつく世界でもありました。暑さ寒さの我慢、痛さの我慢、食えない事の我慢と、これだけ見れば禁欲的であり、煩悩のままに時に欲望に忠実に生きるヤクザが、まるで修行僧の様でもあります(笑)
私が極道当時などを振り返る時、俗に言う武闘派と呼ばれる組織は抗争に於ける殺人など、何人もの長期服役者を輩出している事からか、今時期の様な真夏の暑い日もあえて事務所のエアコンを切って過ごしたり、白米に替えて刑務所で出される麦飯(バクシャリ)を食べたりと、獄中にある人間の不自由な境遇を忘れまじと、若頭以下、末端の組員に至るまでが、ストイックな時間に服する習いもあったもので、会の為、組織の為、一家一門の為に身を挺して犠牲になり、懲役に行く人間がいて初めて娑婆にいる人間はウマイメシが食えるんだと、それは無言の内にも知らしめ、自覚を促すものであったに違いないのです。
(その世界の信念を礼賛するものではありません)。
そんな私も今では坊主となり、ヒーリングをしたりカウンセリングをしたりと、昔の私からすれば到底考えつかない(笑)端から端への真逆な転身を成し遂げた様ではありますが、とかくその当時多かった、痩せ我慢、意地の張り合い、チキンレース(笑)のパターンなど、今考えるとゾッとするものがあります(笑)
お会いする方などから『正仙サン、ヤクザの頃とお坊さんになった今と何が違いますか?』とはよく聞かれる事ですが、こんな時、前出の我慢と言う事がその違いとしてあるのかも知れません。
苦労して必死こいて闇から抜け出す様にもがく時があるのも人間、そんな時は理屈抜きにひたすら忍従と我慢を重ねる時があったりもします。
でも、そんな時期をようやく抜け出て、光が見えてきたかの様な時期になると、極度の心身のドロップや病気などが出たりして、その実、以前の世界観や無理を重ねたパターンをかなぐり捨てる時期に来ている事を、癒やし手放すシフトにある事を不調の中にも学び取るのも人間だったりするもので、セッションでお越し頂くお客様のケースにも何度もお見受け出来る事がありました。
以前、極道の世界にいた私が我慢と言う時、そこには不良世界に生きる男としての矜持、見栄や虚勢、侍の生き方など投影されるものがあったに違いないのです。私の場合、坊主になりヒーラーとしての活動を始めるに当たってここは正念場とでも言うべきお試しに直面した事でも有りました。
『だからどうしたって言うんだよ、お前堅気なんだろ?それも、もう一つ突き抜けたはずの坊主なんだろ?その相も変わらずなゴロツキで短絡的な物の考え方、いい加減改めたらどうだよ?』と、攻撃的(破壊的)な想いに浸ったり、感情を押し出す事に寛大な自分を罵るかの様な言葉を何度鏡に映る自分に吐いたか分かりません(笑)
幸いにして私は仏教、スピリチュアル両面から心の訓練を重ねる事が出来ました。
そうした事から何か葛藤やブロックする事に出くわしても『観察』し手放す、クリアリングしてしまうと言う事が習慣となったもので、我慢💢と力の入ったものではなく、ゆるりと手放ししてしまうと言う事が板に付いてからこそ、初めて穏やかなタイムラインへシフトして行く事が出来た様な気がします。
もっとも、自我(エゴ)と言うのは、不意打ちやジリジリと色んな事象を投げつけて掻き乱してくるのが得意なので、悟ったつもりでいると足元をすくわれたりと油断はなりませんが(笑)
よく、スピな世界では、気付きの深い人や悟りを得た人などが、色んなアクシデントや人の悪意にさらされても全く心身共に痛みを感じないなどの事を言う人が言たりしますが、釈迦やイエスならともかくも(笑)精神世界の上で深い気付きを得ている人などでも、やはり人の悪意や誹謗中傷に傷付いたり、ブロックを生じさせたり、当然、肉体的にも痛みを感じたりする事においては等同で、何が違うと言えば、それらの出来事や知覚に負けず、観察の視点、視座を持ち、侵害されるものとして心の領域に取り込まず、自分を被害者とか加害者とかさらに葛藤のループの渦中へと理性を蹴っ飛ばして、感情、妄想の狂気のままにイケとばかりに、背中をグイグイと押す自我の幻惑を断つなにものかを学んでいる事に他なりません。
分かりやすく言えば、一発目のパンチを喰らう事に於いては同じでも、二発目のパンチは頂かないと言う感じでしょうか(笑)
合掌
密教僧侶ヒーラー正仙
元ヤクザ組長から密教僧侶ヒーラーになった男
真言宗・大元吉祥堂・堂主・ヒーリングルーム吉祥・主宰
かつて極道の世界に身を投じていたが、獄中にて
スピリチュアルな気付きが始まり、出所後堅気になり、
その後真言宗僧侶と成る。
あたり前に生きる事が難しい今の時代、
自らを不安や恐れと言う闇の中に囲い苦しんでいる方達に
それぞれの方が本来持つ、
あるがままの素晴らしい光や輝きに気付いて貰える様に
愛を基にしたパワフルなヒーリングやリーディング、
講演を心掛けて行きたいと思っています。