今日は法衣の修理や念珠(数珠)の紐が切れた事から午後より浅草へ…
浅草ついでに稲荷町の高橋織物にもよって金蘭生地なども購入し、雷門前、仏具の念珠堂へ行きました。得度以前よりのお付き合いの念珠堂さんはいつも国内の方はもとより海外より日本を訪れたツーリスト客でいっぱいで、お香や綺麗な天然石の腕珠や密教法具や仏像、お経や声明などのヒーリングミュージックのCDなどが並び、仏具店と言うよりもちょっとした仏教ミュージアムの様な空間が広がっているもので、ところ狭しと仏壇の並ぶ仏具店とは異質の感があります。
念珠の修理が終わるまで少し時間があった為、浅草寺の仲見世を歩き食事などしたものですが、平日でもその人の多さや飛び交う異国の言葉など(笑)スカイツリーが出来る前など、仲見世が閉まると同時に雷門前など人も歩かず閑散としていた頃を知る私としては、やはり時代の流れを感じさせられるものがあります。
この日も人気の「最中」と「どら焼き」を買わんが為に20メートルほどの行列が出来ていた雷門前の『亀十』にも寄り、最中やどら焼きを買ったものでしたが、衣からはみ出さんばかりにあんこもたっぷりと、ここの最中を食べたら他の店の最中は食べられません(笑)
念珠堂へ修理に出した念珠は『テン鉄』と呼ばれる錆びる事の無い鉄製の念珠で、日本のお寺で用いられる事はまずありません。普通にお勤めに使用する香木の念珠などと違い、激しく繰る(くる・念珠を擦ったり指で数えたり)事は無いのですが、それでも紐の痛みが出る為定期的なメンテナンスが必要だったりします。
その紐も鉄の念珠である為に普通の紐ではたちどころに切れてしまうものですが、いつも自ら念珠を手に取り丁寧に紐を通してくれる念珠堂の社長さんの話しによると、ドイツ陸軍の防弾チョッキと同じ繊維で出来た紐を用いているそうで、どうりで丈夫でなかなか切れないわけです。
日もすっかり短くなりようやく秋も深まるものを感じる今日この頃ですが、いつの間にか今年も残すところひと月と十日と僅かとなってしまいした。
そこまでやって来ている師走の喧騒を行き交う人々の姿に感じながら雷門を後にした愚僧であります。
合掌