北区王子にある稲荷神を祀るこの神社、私のところから距離にして3キロと少しで、自転車でも行ける距離なのですが、本日初めてお詣りさせて頂きました。
御祭神は…
宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)
宇気母智之神(うけもちのかみ)
和久産巣日神(わくむすびのかみ)
総じて「稲荷大明神」
一千年の昔、もともとは荒川の岸にあったので岸稲荷と言われていた様で、14世紀に王子という地名になったことから現在の社名に改称されたとの事。小田原北条氏も氏深く尊崇し朱印状を送るなどしている他、江戸時代には徳川将軍家の祈願所と定められ、社殿の造営への寄進、新規再建など、代々の将軍の崇敬には篤いものがあった様です。
また王子稲荷は江戸時代など「本地は聖観世音、薬師如来、荼枳尼天なり」と、御祭神についても、神仏習合の記録が残されており、明治維新までは近くの王子権現(王子神社)と共に禅夷山東光院金輪寺が別当として管掌し、近隣の住民は「王子両社」と称して氏神として崇められてきた歴史もある様です。
※その後、明治維新で神仏分離、廃仏毀釈が行われ、金輪寺そのものは二坊を残して廃寺となった模様。
関八州の稲荷の頭領とされ、大晦日には関八州の狐がこの神社に集まると信じられてきた王子稲荷神社、訪れて見ると幼稚園なども隣接してあり、神社の氣はいかがなものかと思いましたが、石段を登ると、極彩色の華麗な社殿、江戸時代、文化文政時代の粋を今の時代に伝えるかの様でもあり、当時の稲荷信仰の隆盛が偲ばれる気さえしたものです。
手を合わせると頭頂にあるチャクラに独特の感覚が訪れ、長い歴史を誇る神社、庶民の願いを聞き届けるかの様にしっかり稲荷明神が鎮座しているものを感じた愚僧でした。
王子駅から徒歩で行ける距離であり、熊野の神を祀る王子神社と共に、散策がてら参拝に訪れて見るのも良いかも知れません。
合掌