☆伊勢の旅②…太江寺での得度式から伊勢神宮へ

 

 
※太江寺山門です。弘法大師空海が彫刻したと言われる山号の額が掲げられています。
 

 
※古寺の雰囲気を醸し出す太江寺の本堂です。
 

 

 
※お堂の内陣
 

 
今月28日は伊勢二見太江寺で得度式があり参座いたしました。
 

 

 

※得度式に先立ち、受者の昭光さんに得度に際しての心得などを話す愚僧です。

 

 
※太江寺永田密山住職がこの日の戒師を勤めてくださいました。
 
この日得度受戒した昭光(しょうこう・法名)さんは、かつては某業界でゴットハンド、カリスマと言われた人間でした。
 
しかし仏教の開祖お釈迦様が「苦の娑婆・シャバ」と私達の生きるこの現世を看破した様に、楽しき良き夢ばかりを見せてくれる場所でない事は、誰しも年と共に訪れる人との別離、病気、事故、不慮のトラブルなど経験して行くもので、その人に応じた形でそれは現れ、魂を磨く砥石の様な意味合いをそこに見い出す事もあれば、ただ受け身一方の心身の消耗、負債としか思えない時期が続くかの様に思える時があるのも、この私達の生きる地球村の一面でもあります。
 

 

 
でも、人間とはそんな四面楚歌、八方塞がりの時こそ、真の発心(ほっしん)に至る生き物なのかも知れません。
 
※発心(ほっしん)
 
発菩提心 (ほつぼだいしん) の略称。仏陀の悟り (菩提) を得ようと決意すること。仏門に入る決意なども含む。スピリチュアル霊性への目覚めなど、これも人それぞれの形あり。
 
紆余曲折の果てに再起を決意し、私の元を訪ねてきた昭光さんでしたが、お話しを聞けば何年にも渡り、真言宗寺院の護摩供に参座するなど、仏縁を感じさせるものがあり、出家得度の決意も固い事から、伊勢二見太江寺とのご縁を繋がせて頂くに至りました。
 
※出家得度など一般の方にお奨めする事は一切ありません。
 

 

 

 
得度式では、今回の得度を快諾してくださった戒師、太江寺永田密山住職より、受者である昭光さんに、その仏門入りの決意を問うかの様に沙弥の十戒と呼ばれる戒相が発せられて行きます。
 
「尽形寿(じんぎょうじゅ)まで殺生せざるは是れ沙弥の戒也、能く持たんや、否や(よくたもんたんやいなや)」と…
 
簡単に言うと、「十の戒律を守れるのか否か?」と十回に渡り戒師より問われる事に対して、受者は「能く持つ・よくたもつ!」と、簡潔に答えて行くものですが、淀みなくキッパリと答える昭光さんの声音に、人生の第二幕とも言える再起の決意も感じられたものです。
 
僧侶にとってはどこでもついてくる所作に等しい、三礼(さんらい)と呼ばれる立って座っての礼拝作法も、初めての人間にとっては、慣れぬ正座の足の痺れもそこに相まって、膝もガクガクと、まるでヒンズースクワットをさせられているかの様でもあり(笑)痺れて足の感覚が無い事から法衣の裾を踏んでよろけたりもするもので、当日は気温も高かった事から噴き出す汗を拭う事も忘れ、よろけながらも懸命に三礼を繰り返す昭光さんの姿を見ている内に「私もそうだったなあ…」と(笑)得度当時の自分の姿をふと懐かしく重ねる様に見ていたものです。
 

 

 

 

 

 
得度式の後は一門の後輩にあたる方の僧階、布教師の授与式などもあり、終了後は永田住職も交えてお弁当で昼食を取り、しばし歓談の後でお寺を後にした私と昭光さんでしたが…
 

 

 

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※龍神雲です。
 

 

 

 

 
私に光が差し込んでいる2枚の写真は、今回得度した昭光さんの撮影によるものですが、本当に光に出迎えられている様な内宮の御神氣を感じたものです。
 
陽が暮れるまで少し時間があった事から、伊勢神宮は初めてと言う昭光さんと共に内宮へ参拝に訪れ、内宮の御神氣、樹齢千年を越える巨木も多い森林から発するイオンシャワーを身体いっぱいに浴びた後、東京への帰路に着いた私達でした。
 

 
※得度式を終え新発意となられた昭光さんと共に
 
※新発意(しんぼっち・仏門に入り立ての方や得度した男子を指す言葉)
 
末期ガンからの生還など、様々な辛苦も舐めてきた昭光さんですが、これからも幾度となく葛藤が生じたり、様々な試行錯誤を経て行く事もあるかも知れません。でも、そんな時こそ、仏の穏やかさを内に湛える事こそを最上の加護として、以前にも増して活躍して行かれん事を、願う様な想いで、太江寺の本尊、千手観音菩薩の微笑を見つめていた愚僧であります。
 

 
※太江寺御本尊千手観音菩薩です。鎌倉期制作(重文指定)
 

 

 

 

 
※車窓からの風景、夕焼けの写真(龍神雲)など昭光さんが撮影。
 
合掌

 

 

 

 

 
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