☆ある女性の闇金業者の回想から…人としてどうなのか?

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※社会通念上、不適切な表現や描写がある事をお許し頂きたいと思います。

最近近所のスーパーに自転車で買い物に行くと、スーパーの入り口に何名かのご婦人達が井戸端会議をしていたものですが、その中から、「ええ~っ!?それって10日で1割ってやつじゃないの?最近見かけないからおかしいと思っていたけど、○○さんパチンコにはまっていたとは…ヤバヤバ、で、旦那さんと子供は?」と言う話し声が聞こえてきました。

10日で1割とはトイチの呼び名で知られる違法な闇金融の代名詞である事は今や知らぬ人などいない時代でもありますが、でも、生涯、闇金などとは無縁な感じのお母さん達の輪の中から、「トイチ」のワードが聞こえてきた事から何か場違いでコミカルなものさえそこに感じておかしくなった私でした。

現代では「ミナミの帝王」や「闇金ウシジマくん」等、漫画や映画で違法なヤミ金融の世界がドラマ仕立てで紹介されている事からか、実際に関わる事は無くとも、闇金の表面上のシステムだけは詳しく知る方も多いのかも知れません。

よく知られるトイチ金融ですが、トサン(10日で3割)トゴ(10日で5割)と呼ばれる闇金の暴利な貸出し方と言うものもあり、こうした金融に手をを出す人間は、ちょうど喉の渇きを癒す為に井戸を探して果てなき砂漠を延々と歩き続けている様なもので、必ず何処かで潰えてしまうものです。

でも、貸す方も心得たもので、その人間が払う事が出来ず、逃げていなくなる前に違法な高金利で元金にプラスアルファが出れば良しと見切っている部分や、警察へ飛び込む心配がなければ、風俗や仕事を斡旋してそこから回収を図る、一時社会的な問題となった銀行口座を作らせての通帳の売買など、あらゆるパターンをシュミレートしていたりするものでした。

裏社会に生きる人間達の間では、その関係性によっても違いますが、金書(借用書)を貸し主に入れても、厳密な信用調査など受けずに金を借りれる事から、対価として元金に対して1割の金利は不文律的な慣習として当然とされている様なところもあり、暴利だ違法だなどと世間一般の様に騒ぎ立てる人間などもいなかったものです。期日に支払う事が出来なければ、金利を払いジャンプ(支払い期日を伸ばす)し、これさえも払えなくなれば、追い込まれ何らかの形でケジメを取られる場合もあれば、借りた人間が飛んでいなくなる(逃げる)ケースなども、当時は多く見聞きするケースでもありました。
まるで雪だるま式に増える借金の額と言うものが、その人間の寿命を削るかの様に、自殺や変死、突発的な発作などにより他界してしまう人間などもいたものです。

豊かさを引き寄せるなどをテーマとした、今時の自己啓発のセミナーではお金に対するマイナスのイメージを払拭すると言うものがあったりします。

でも、アウトレイジな世界に見る金とは、時に人を破滅や破綻させ、廃人や死に追い込む原因ともなれば、逆に地獄の沙汰をまるっと買い上げてしまう働きをももたらしたりで、勿論、金を巡る人間がそこに意味を張り付け、投影するものが具現化されているに過ぎず、金銭自体は、中立なエネルギーに過ぎないと言うのが真理ではありますが、でも、私が過去に見てきた裏社会でのお金やそこに巡る人間模様とは、時に振り子が両極に大きく振幅するかの様に、ダイナミズムにその人間の生活や尊厳、居住権や生命力まで、あらゆるものを奪う、暴力装着としての魔の働きを見せつけていたと言うのも本当のところでもありました。

まだ私が裏社会に身を置いていた頃、私の知り合いに女性の金貸し(闇金業者)がいました。ヤミ金、高利貸しなどと言うと、コワモテな男の風貌を連想する方が殆どかも知れませんが、男性顔負けの女性の金融屋と言うものもいたものです。

女性の金貸しと言うと、パンチパーマよろしくオバサンパーマででっぷりと貫禄のある女性もいれば、小さな身体で普段は自転車に乗っている様なとても金貸しなどしている様には見えぬ地味な感じの初老の女性、または小股の切れあがった美人などもいたものです。

金貸しと言うとヤクザと直結するイメージがありますが、確かに姐さん(ねえさん)と呼ばれる極道の妻や内妻が車や不動産を担保とした金融を営んでいるケースなどもありましたが、それも現在の様な暴排条例が施行される前の時代の事で、その世界から離れて幾久しい私には現在のその世界の事情は皆目わかりませんが、間違っても自分の近親者などをシノギと呼ばれるその世界の経済活動の代表に据える事など叶わぬ時代の訪れと言うものを、最近の新聞やTVのニュースに感じるばかりでもあります。

一本どっこな女性の金貸しと言うものもいたもので、綺麗な女性にはしっかりヤクザがケツモチ(回収、トラブル処理)でついていたりしたものですが、見てくれは地味なオバサン風情でも、いざとなったら、極道を目の前にしても粋な啖呵を切り一歩も引かない様な女性の金融屋もいたものです。

こうした女性はいざとなればの安全保障は何処かのヤクザに頼んではあっても、平素は利口なもので、ヤクザと付き合えば、何かと金をタカられると思っているのか、店や事業をしている様な女性達に月1割程度の金利で金を貸して、一緒に飲食を共にしたりで、アメとムチを上手に使い分け、リピーターとしている様なところがあり、追い込まれた借り主がヤクザに泣きついて行くと言う様な事が無い様追い込み過ぎず、裏社会の人間の付け入るスキを与えないしっかりしたところがありました。こうした女性の金貸しと言うものは在日のコリアン社会の中にも見受けられたものです。

その当時、ある女性の金貸しとトラブル処理を巡って話し合う時があったものです。
この女性は余談の中で、最近自分に金を借りに来た親友だと思っていた女性の話をしだしました「友達だと思うからさ、旦那が働き悪くて食べていけないって言うからさ、月五分(利息)でいいからって貸したんだけどさ…」と話し始めたこの女性、ヤミ金業者らしく、別に事務所を構える事もなく、喫茶店の一角をオフィスがわりに金融をしていたものです。

その友達に借用書を入れさせ現金を渡すと、何故かデパートに同行してくれと頼まれたこの女性…渋々付いて行くと…この女性の友達
はツカツカと、婦人服売り場からブランド物の下着やタイツが置いてあるコーナーへ歩いて行ったと思うと、デパートの買いものカゴいっぱいにブランド物のストッキングや下着の類をいれ始めたと言います。

それを唖然とした面持ちで見ていたと言うこの金貸しの女性…
( ; ゜Д゜)

「生活が苦しくて金を借りにきたんだろ オ・マ・エ」のワードが頭の中を渦巻き、場をわきまえず、非常識とも思える友達の振る舞いにブチキレそうになるのを必死てでこらえるのが精一杯だったと話すこの女性でしたが、この女性の現場での様相が目に浮かぶ様で、私は話を聞きながら笑いをこらえるのに必死だった思い出があります(笑)
(“⌒∇⌒”)

でも、この金貸しの女性、この時に自分が友達だと勝手に思い込んでいただけで、相手の事など本当は何も知らず、自分がさも庇護者の様なつもりでいい気持ちになっていただけで、今まで時には金利も取らずに相手に何十回にも渡り貸してきた金も、このデパートでの姿に等しい使い途に浪費されていたに過ぎないものを感じて、げんなりしてしまい、この友達ともこれを機に縁切りになったとの事で…ただ、縁は切れても、全額回収したとの事で、そこはさすが女だてらに金貸しでメシを食べているだけの事はあると思ったものでした。

この女性の話を聞いた時、違法な金利をを取る闇金など、殊勝な稼業でもあるまいし、やはり女だなと…海千山千を相手にする金貸しの世界には不向きな線の細いものを感じたもので、その業界からもフェイドアウトしてしまう様にさえ思えたものです。
でも、今思えばデパートのストッキング売り場で友達の姿に見たこの女性の気付きと言うものも、スピリチュアルな世界で言われるところの気付きと学びに他ならなかったのではないかと思います。

人の姿を通して、自分のエゴを見せられ、訂正や変更を迫られる疼きと言うのは、こうした自分では意識していない瞬間に投げつけられる事があるものです。でも、生活が困窮していると訴えられて、金を貸したこの女性が、分をわきまえぬ様に買いものをしまくる金を借りた女性の姿に感じた葛藤と言うものも、人間らしい感情ではあります。

他人に厳しく自分に甘い傾向に陥りやすい私達人間は、人のアラは見えても、自分自身が人からどう見られているかは気が付かなかったりするものです。
ある瞬間の人の行いや所作に於いて、その人間の心根が見えてしまう事などもあるもので、そうした時にそれまでの友情とか信頼に陰りが出てしまい、自然と疎遠になってしまった経験をお持ちの方は案外多いのではないでしょうか?

その後その女性とは二度と会うこともありませんでした。しばらくしてこの女性が闇金をやめた事なども風の噂に聞いたものです。

人としてどうなのか…?

これは利害打算伴う金貸しの女性の話ですが…ケースや形を変えて私達も日頃試される事の多い事でもあります。

合掌

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