火葬場の片隅に咲く寒椿がとても綺麗でした。
この数日前、我が家の愛犬チビをよく可愛がってくださった方がお亡くなりになられた事から、昨日は都内近郊の火葬場に於いて導師を務めてまいりました。
お亡くなりになられた女性はクリスチャンである事から仏式の葬儀を営まないのは勿論、葬儀などせずに火葬して欲しいとのご希望もあった様ですが、ご家族より『正仙さんのお経でぜひ母を送ってあげたい』とのご連絡を頂き、火葬前の短い時間ではありましたが、勤修させて頂いたものです。
以前など私が地方へ出張の際など何度もチビを預かって頂きお世話頂いた方でもあり、ここ数年はこの方の健康状態のシフトもありご迷惑になってもいけない事からチビをお預けするのはご遠慮していたものです。それでもことある毎に『チビちゃんは元気ですか?』と家族の方を通してご連絡など頂いていたもので、亡くなる前なども腹水がたまり体調を悪くしたチビに私がヒーリングしている事などを聞くとご自分は病床にあるにも関わらず『あの子の見舞いに行きたい』などと話されていた様で、この方らしい優しさに、生前、お会いする度に天真爛漫さを感じさせたこの方の無邪気な笑顔と笑い声が偲ばれてなりませんでした。
享年77歳 この方が光の中へ溶けんばかりに還られたものを感じ斎場を後にした愚僧であります。
人のこの世は永くして
変わらぬ春と思えども
はかなき夢となりにけり
あつき涙のまごころを
みたまのまえにささげつつ
おもかげしのぶも悲しけれ
しかはあれどもみ仏に救われて行く身にあれば
思いわずらうこともなくとこしえかけてやすからん
南無大師遍上尊
南無大師遍上尊
合掌