【愚僧】
おう銀次、今日は御苦労さんだったな!まあ一杯やってくれや!
【化け猫の銀次】
へえ、アニキ、仕事を終えての晩酌が、この頃すっかりオイラも楽しみになっちまって、なんだかこれじゃ娑婆の人間と変わらねえ気がするんでさぁ…
【愚僧】
まあ、そう細かい事を気にするな…お前のお陰でお客さんも喜んで帰って行ったじゃねえか…。
【化け猫の銀次】
いやあ…アニキにそう言ってもらえるとオイラも恐縮しちまいますが、でもチョロいもんですわ、なんたって、アニキに化けてオイラがヒーリングセッションしているだなんて、誰も気づきやがらねえんですからね…おっと、それでもねアニキ、一人だけオイラがうっかりシッポを消し忘れたのを見て「あれっ、正仙サン、いつからシッポがはえたの?」 なんて言いやがるもんで、この時ばかりはオイラも冷や汗が出ましたがね、アッハッハッハ!
【愚僧】
ばか野郎!お前の声は大き過ぎるんじゃ…壁に耳あり障子に目ありだぞ、いいか…一応な、ヒーラーの世界もモラルってえのがあるんだからな!セッションを化け猫に務めさせていた事が世間に知れた日にゃ、俺もお天道様を拝んで表を歩けねえじゃねえか?明日も午前中からヒーリングだぞ、もし下手を売ったら、アジの干物と晩酌はお預けだからな、いいな…?
※下手を売る(へたをうる)とは負ける、失敗する、失態を演じるなどを総じて現す隠語。
【化け猫の銀次】
へえアニキ、明日もこの化け猫の銀次にまかしといてください、猫だましヒーリングでおもてなしします。
【愚僧】
そうか…お前もようやっと、ヒーラーの自覚も出てきた様だな?まあもう一杯、グイッといけや…
((( ; ゜Д゜)))
合笑