灼熱の広島…不動の涙

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※前回広島で撮った写真です。

☆happy chaoさん達との楽しい時間を過ごした翌日…東京に帰るまでの少しの時間、前回行く事の出来なかった原爆資料館へと行ってきました。

入口から館内に入って行くと明治の頃からの広島の町並みの変遷と言うものが写真で紹介されていました。

資料館に行ったのは初めての私でもあり、原爆ドームと言われる建物が当時デパートだった事や日本で初めてのバウムクーヘンが売られていた事などを知ったのでした…。

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しかしながらこの写真のパネルを境に原爆によって灰燼と帰した広島の全景の写真や町並みを写した写真が続きます。

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爆発した上空では摂氏数万度、地上でも千数百度と言う熱線…館内に歩を進めて行く内に阿鼻叫喚の火焔地獄を現出させる写真やその情景を描写した風刺画の数々…

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被爆し熱線に焼かれ、顔と言わず背中と言わずケロイドの塊と化してしまったその写真…

息も絶え絶えの状態で撮ったと思われるその写真には「撮影数時間後に死亡」と書いてあるものも多く…

子供をまるで庇う様に抱きしめ立ち尽くしたまま炭化してしまっている母親の姿…

死を目の前にした刹那「自らはどうなっても構わない、この子だけは助けて…」と言うその時の母親の断末魔の叫びや想念がこちらに伝わる様でもあり…私はしばらく写真の前から動けませんでした。

美化するつもりは毛頭ありませんが…それは死を目の前にした人間が極限状態で見せる神性や偉大さと言うものさえ現している様に見えたものです。

現実を直視する事は大切な事なれど、資料館に展示されている被爆された方達の凄惨な状況の写真を見る時、繊細な感受性を持った方であれば見るに堪えないものがあるかも知れません。

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私は原爆資料館の中を歩きながら最近お会いした白髪のご老人との話しを思い出していました。

その方は戦前、戦中、戦後を生き抜いたお年寄りで…被爆の体験は無いながらも、東京大空襲など身を持って経験して来た方でもあります。

この方は何故か私を初対面から「正仙坊 しょうせんぼう」と親しみを込めて呼んでくれたのですが…

そんな私に淡々とした口調で語ってくれたものです…。

正仙坊、鬱ってどんな病気なのだろうか…?
それは今の時代の人には今の時代なりの生きる大変さがあるのだろうけど…
あの当時、B29(米軍の爆撃機)に空襲で家を焼かれ、もたもたしていればグラマン(米軍の戦闘機)の機銃掃射で殺されちまったあの頃…
望む事と言えば、せめて家族と一緒に白いご飯を腹いっぱい食べて死ぬ事だったなあ…

灯火管制で家の明かりを消したところで上からは情け容赦なく爆弾が雨やあられの様に降ってくるし…そんなあの時代に鬱だなんて言ってる人間はいなかったし、そんなところにあぐらをかいていられる状況でもなかったよ…。

物が溢れ、何不自由ない時代だからこその贅沢な心の病ではないのだろうか…?
年寄りの戯言に聞こえるだろうか正仙坊?と…

東京大空襲でナパーム弾で川が燃え、これも逃げ場をなくした母親が子供を抱いたまま川で立ち尽くし焼死している姿…

空襲で真夜中の東京の空を染めあげた深紅の色を生涯忘れる事はなかったと話してくれたのでした…。

そんなご老人、最後に「でも…今考えてみればあの当時、一億総国民が鬱だったのかも知れないねえ…だって、戦争自体が狂気の沙汰なのだから…」とその目は遠くを見つめている様でもありました。

※鬱の方には少々乱暴な意見かも知れませんがこうした見方もあると言う事をご理解頂きたいと思います。

様々な感慨を胸に広島を後にした私でしたが…

自坊に帰り着き荷物を整理していると、ふと廊下にかけてあるカレンダーの文句が目に止まりました。

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のタイトルの下に

資源の枯渇

二酸化炭素の問題を改善するため電気自動車が開発されたという。

でも、

すべての自動車(9000万台)を電気自動車に替えるとなると

原発が213基必要となるそうです。

この美しい星は間違いなく、

危ない方へ

後戻りできない方へ

向かっています。

間違いなく…。

と書いてあります。大震災より前に作成された文面、カレンダーですが、短い文章ながらも放射能で揺れる今の日本にリンクする辛辣な内容でもあります。

日本には核のカルマと言うものもあるのかも知れません。

ノーモアヒロシマ

ノーモアナガサキ

ノーモアフクシマ

されど世界で唯一の被爆国日本…敗戦のどうにも立ち直れない程の状況から「ジャパンアズザナンバーワン」と世界に冠する経済大国になった歴史があります。

東日本大震災による膨大な犠牲や被害、そして今だ解決を見ない福島原発の放射能汚染…

表面だけみれば不安要因ばかりが目につきます。

でも今回の震災による福島原発の問題と言うものが、国内はおろか世界各国の原発の是非の論議に火を点け、エネルギー体系にメスを入れ、どれだけ大きく揺り動かしているかお気付きでしょうか…?

そうした事はやがて世界の経済のシステム…言い換えれば今まではよかった「適者生存」の信念体系にまでそれは伝播し及んで行く様な気がします。

甚大な犠牲者と被害を出した震災を引き合いに出す事はデリカシーの求められる事でもありますが…

「神国日本」が世界に担うメッセージ性と言うものはこうしたところにもある様な気がしてなりません。

日本が新たな時代の世界の雛形として…

昨日28日は不動明王のご縁日…

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夜間の遠隔ヒーリングを終えてよりお不動様の供養法を勤修しました。

そう言えば…原爆の火炎に包まれる広島に鎮座するお不動様の絵を見た時があります。

それは身体を焼き尽くす原爆の火炎を不動明王の慈悲と解脱の火炎に換えて、非業の死を遂げた被災者の方が解脱成仏出来る様にと作者の祈りが込められている様な絵でした。

そんな心持ちで自坊のお不動様を見ていると半眼開いたその目が悲しそうにも見えます。

人間の業の深さを見つめている目でもあります。

世界の生きとし生けるものすべてが幸せであります様に…

合掌

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