★マンダラ…魔断ち!

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※写真は自坊金剛界、胎蔵界梵字マンダラです

ある時、若い男性が私の元を訪ねてきた時がありました。

その方は「部屋に飾るマンダラやお不動さま(不動明王)の絵を捜しているのですが、いいものが見つからなくて、何処で買ったらいいのでしょうか?」と、私に尋ねてきたものです。

「パワーブレスを離す事が出来なくて、身につけていないと不安を感じます。」と話す彼の姿をよくみると…

金回りの良さそうな雰囲気なのですが、非合法の部分で収入を得ている事が、本人は語らずとも、ありありとこちらに伝わるエネルギーに現れています。

そしてそこから発生している不安や恐れ、虚無感といったものもそのオーラに感じられ…

『自分の居る場所は違うのではないか?』と…深い部分に迷いがでている事も見てとれるのでした。

「私と縁のある神仏は何なのか?」

「仏像を置きたいが、置く場所や、拝み方はどうしたらいいのか?」と言う事を、この方は矢継ぎ早に私に聞いてきたものです。

それはまるでスピリチュアルな世界に興味を持ち始めた頃の私の姿の様でもありました。

人が、自分の霊性に目覚め、仏教で言うところの『発菩提心』とも言うべき、自らの仏性に目覚めるのも、人それぞれ色々なバターンで訪れます。

宗教にそれを求めて行く人もいれば、スピリチュアルリズムやヒーリングのスキルにそれを見出だして行く人もいるのです。

私はその方と少しばかり雑談した末に、押し入れから、巻いてしまっておいたチベットの行者が瞑想時に使用するマンダラを取り出し来て

「これを持っていきなさい」とその方に差し上げたのです。

ただ、私はマンダラを手渡しながらも内心、今後『エネルギーの浄化』とでも言うべき、大きな人生の転換期にその方が差しかかっている事や、自分のカルマに直面するであろう事を漠然とながら感じていたのでした。

私はこの方に「どんな事をしているのかは聞かないが、仏像に手を合わせたり、こうした物を部屋に置く事は、葛藤を感じる時がありますよ」と…

一言つけ加えておいたものです。

こうして、少し雑談をした末にこの方は自坊を後にしたのでした。

それから数ケ月後…その方がある事件で逮捕された事を知りました。

今の自分の姿やあり方に疑問を持ちはじめた時から、真の自分に向けてエネルギーの変容やシフトを始めるケースもある様です。

より深い自分の真実や霊性を探求する強い意欲が湧き起こり、それに類した事象や教師的役割を果たしてくれる人との出会いに導かれたりするのもこうした時期なのかも知れません。

それと同時に、今世での自分の生み出したカルマや、過去世から持ち越しているカルマやトラウマが堰を切った様に、自分の人生に噴きだしてくる時もあります。

不安と恐ればかりを増大させそれをハードな致命的な着地にしてしまうのか?

混乱を時には感じても必要必然のプロセスとしてその変化を受け入れて行くのか…

『正と負』ともいうべき対立するエネルギーが、共に同じ時期にスパイラルを描き上昇し、せめぎあう事によって自分の人生にその姿を現してくるのも人生の様です。

私自身もその経験者であり、他者にもそうした事例を見る事も間々あったものです。

そうした人生上のボーダーラインにある時に…人によっては、無性に仏像や仏画、神のシンボルの類いを自分の元に招く人も多いのです。

僧侶や行者によって開眼された仏像や仏画、マンダラを自分の元に置く時など…

空間の浄化は勿論なのですが、自分の人生の浄化の働きさえもたらす時もあるものです。

例えば、ある仏像を家に置いた途端に会社の部下の背信行為を知るハメになってしまった…

または…仏画に手を合わせる様になった途端に、自分が妻に隠していた浮気が露見してしまったなど…
(((;゚;Д;゚;)))

開運吉祥を願い、仏像や仏画を置いたものの、陰陽逆転とばかりに、自分が触れて欲しくない、生涯隠し通していたい事が明るみに出たり、未解決の問題がある事に改めて気付かされたりと…

まさに『魔断ち』とも言える自分の奥底の闇の部分を明るみに引きずり出す働きさえあるのです。

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しかし…これさえも仏像や仏画がひとつの機縁として、自分の魂の奥深い要請によって引き起こされている事なのかも知れません。

私達の理性は知らずとも、魂『神』は知っているのです。

肉体を持つエゴが頭をもたげる自分の中で真の自分に対してひっかかりのある部分を…

自分に対して気付く事なく目をそらしていたい後ろめたい部分を…

時にはこうした事をめくるかの様に白日の元にさらしてくるのです。

でもこれさえも、人生を良い方向へむける為の浄化のプロセスなのかも知れません。

私の元を訪れた方とはその後会う事はありませんでしたが…

自分なりの安心立命、感謝と安息の境地に向け歩んで行く事を願うばかりです。

合掌

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