☆正仙の愛説法!ヒーラーの「距離を置きなさい」の提言は時に人間力の欠如となる事を知れ!②

①の続き…

但し、内面世界は別で、よくスピリチュアルで言われる『自由意思』も究極を言えば、聖霊(内なる神・ハイアーセルフ)に委ねるのか?エゴ(自我)に委ねるのか?この二者択一に尽きるものがある様で、どんなに物事や体験が複雑多岐に渡っている様に見えても、このいずれかに源がある事、心眼を養えばこの違いがハッキリと分かる様になってきます。エゴは時にとても気持ちよくさせてくれます。人を攻撃したり悪態をつく自分さえも正当化してくれるものですが、常に対価が発生し、葛藤や罪悪感から逃れる事が出来なくなり、それを打ち消す為にさらに投影する対象を求めドラマを繰り広げて行きます。病気などもこうした心失う精神過程で発生する事が実に多い様で医師に説明を求める事は出来ません。
その昔、私が極道の世界にいた当時、幾多の熾烈な抗争、修羅場をくぐり抜けてきた方が(死去)私にいみじくも言ったものです。
「お前、何でヤクザの喧嘩みたいの血で血を洗うとか言いよるかわかるか?血がぎょうさん流れたところに人が立てばぬめって倒れるやろがい、そやからまた血を流して洗わんとあかんのや…そやからヤクザは殊勝になったらあかん、どこまでも極道でええんじゃ…」と語ったこの方は最後、病で吐血と下血を繰り返し亡くなってしまいましたが、正しい道とか仏法ではなくとも、人間の赤裸々を見せてくれた事に於いて師僧の様に心に残っている方でもあります。
この方の言う「血で血を洗う」とは、物理的に血でぬかるんだところに立てば転ぶと言う事を言っているものではなく、不条理と分かっていても無益な事と分かっていても報復を選び取っていかなければならないヤクザの行動原理を指すものであり、それは報復しなければ侮られる(ナメられる)廃れてメシが食えなくなると言う強迫観念に支えられているものであると言えます。でも、何もこれは極道世界だけに限った事ではなく、国家間にみる力関係、政治や企業の競争原理、勝者の光と敗者の影を生み出す競技やスポーツ、もっと身近では父親のメンツ、母親の沽券、子供の言い分、姑の不満、正妻の意地、愛人の葛藤、ネット上での罵りあい(笑)など、その人に応じたプチな抗争ドラマなどを経験している事に於いて、違法性の有る無し、ハードかソフトかの違いがあるだけで、頭の中では憎い相手にコテコテパンチを喰らわしたり(笑)死刑を宣告したりとその時々の怒りや恐れで占有された内面世界に於いては誰しも五十歩百歩の違いしかないのです。
怒りや恐れを分裂させて行く信念こそがエゴか推奨するものであり、かと言って「エゴは統一された答えを自分自身に与える事が出来ない」のです。それはまるで邪な企みに利害関係を一致させ連帯を感じ狡猾な笑みを浮かべてもある日突如の裏切りに奈落の底に突き落とされるそれに似ているかも知れません。
エゴがもたらす平和と言うのはどこかしら条件や駆け引き、力関係や利害の一致に影響される部分を残しているもので、それは日頃より私達が馴染んだ人との争いにみる和解のプロセスであり、世界の紛争や戦争の終結にみるパターンでもあります。
「赦し」と言うと、どこかしら感情を併せ持つ私達俗世に生きる人間にとって、受け身一辺倒な響きを持つ理想論に過ぎぬものを感じて敬遠しがちなものですが、心身の安寧を真に得ようと思うなら避けて通る事の出来ない事でもあるのです。お釈迦様が説いた「執着を手放す」仏教の教えも人間関係に於いては赦しなくしては実践が出来ません。
赦しについて書けば小誌が出来るほどの長文になるので控えますが(笑)それは相手が謝るから許すとか、条件が折り合ったから和解すると言う私達人間に馴染みのパターンではなく、輪廻転生を含む私達の生が、幻想の世界、体験型の夢道場とでも言うべきものの一巻で、本来他者と言うものはなく、傷つける相手もいなければ傷つく自分もいない、だとすれば自分が傷つけられたと思う出来事さえも幻想である事、私達の本質は神と共にある永遠不滅のスピリット(霊魂)である事などを完璧に体得して輪廻転生の輪を断ったのが釈尊でありキリストと言えます。
赦しと言うと何か人間の感情(例えば被害者の心情)などを無視した絵空事で現実離れした綺麗ごとに過ぎないのではないかと思われる方も多いに違いないのです。でも、この文章を書いている当人は裏社会で長年生き、綺麗ごと抜きの修羅道に生きた人間です。人の裏の裏まで眺めてきたもので、また自らも感情のままに、あるいは計算ずくで人を傷つけ痛めつけ脅しあげてきた人間です。その当時ならば「赦し」などと聞けば「そんな屁にもならん事して何かあるのか?赦して何が解決する?結局は力、世の中変えているのだって根底は力であり暴力じゃねえのか?」とせせら笑う様に言ったに違いないのです。
でも、私はそんな世界に実らぬ無常(無情)を感じて裏社会を抜け出たのでした。それは「表のパワー」とでも言うべき力を信奉する世界観からの離脱でもあったのです。赦しを難しく考える人はせめて「他者にする事は自分にする事である」と言う事を理解されたら良いと思います。究極を言えば「この世界に他者はおらず」人に向けたもの送り出したものはあまねく何処かのタイミングで受け取らなければならない力学が働いている事に於いても『ワンネス・全一』なのです。自分に落ち度や非の無い事で青天の霹靂の様に人から酷い目に遭わされたと嘆く時、間違いなくその相手に過去生で意地悪なり酷い目にあわせて解消されぬカルマがあると思って間違いない様です。
因果応報は過去生からも持ち越す様に発生するものであり、こうした事は学校で教えてもらうわけでもなく、多くの人にとって自分の理性の預り知らぬ事でもあります。
でも、そんな時いたずらに過去生探索の旅に出る様に色んな霊能者やヒーラーやチャネラーの元を訪れるジプシーなどになる必要はなく(笑)そうした手強い出来事、長引く葛藤をもたらす人間ドラマに出くわした時などは今こそ輪廻転生の中で先送りしてきた「カルマや宿題を解消するチャンスが巡ってきた」と思って、争いには争いで打ち合う事なく穏やかにやり過ごす事が大切なのです。
こんな時、日ごろより聖霊(内なる神・教師・ハイアーセルフ)との繋がりを意識している方だと大難も小難にしてやり過ごす事が出来るものですが、「内なる神ってなんの事?それって人の良心の事?」など、聖霊を理解出来ない方などは自分自身の信ずる神佛やアセンデッドマスターなどにそれを代替えする事も出来ます。現在のトラウマや心の傷となっている事を過去生まで記憶を退行して癒すと言うヒーリングワークもありますが、それは逆もしかりで、今目の前にある出来事を自分の中で赦し消化する事で、過去生の出来事にも癒しが発生する様で、これは過去、現在、未来の直線的な時間枠に慣らされている私達人間にはなかなか理解し難い事ですがこれは事実で、今目の前にある赦しのレッスンに向き合う事が大事で、過去生にばかり原因を探求するのは本末転倒な事でもあります。
もっとも…過去生に原因があるものとあっちこっちとその道のプロの元へ足繁く通っても、指摘される過去生の画像もまちまちだったりして、お金を使い疲れてしまうのが関の山と言うものですが…笑
冒頭のタイトル、「ヒーラーの『距離を置きなさい』の提言は時に人間力の欠如となる事を知れ」ですが、私などはセッションに訪れる方に「人間関係はそもそも円満に行かぬ事が多いと理解されていた方がいいですよ」などと逆説的にお話しする事も多いものです。
中には人との関わりに於いて傷つきたくないと言う方より、サイキックなプロテクトや真言密教の護身法を教えて欲しいと頼まれる様な事もあったりするものですが、そんな方に「今の貴方にプロテクトを教えて差し上げたところで、かえって次から次へとプロテクトを用いる対象ばかりを作りあげ、恐れを増幅させるので教える事は出来ませんよ。。護身法って、私が僧侶だからって高所から物を言うつもりはありませんが、僧侶でもない行者でもない貴方に密教の護身法を教えたところであなたにとって部分にしかならないでしょ、効果が無いと見ればどうせやーめたとなるんだから、そんな付け焼き刃の護身法では何も動きません。指を組んで(印契)お手玉遊びをしているに等しいです」と少々厳しくお断りした事などもあるものです。
どんな結界やプロテクトを施そうとも、人から傷つけられる時もあれば、投げつけられるものがあったりと簡単に言うと人生のシナリオに書かれた「起きるべき事は起こる」のです。それを葛藤を経験したくないばかりに事前に何らかの秘技やサイキックなスキルでコントロールしようとするのは傲慢以外の何物でも無く、次から次へと見る人を「生き霊を飛ばす奴」とか「狐憑きレディー」だとか(笑)ゾンビやモンスターの様なカテゴリーに分類する事ばかりがその人間の中でプログラミングされてしまい、人との出会いの喜びも意味も失せてしまい、実際に魑魅魍魎な様相の人間ばかりが寄ってくる様にもなるものです。
深刻さは必要ありませんが、傷付く事を恐れていたのでは人との出会いの意味さえ損ねてしまいます。これをいたずらに「距離を置きなさい」とか、宗教上の教義やスピリチュアルな概念でオブラートしてしてしまうと、自らに落ち度があれば潔く謝る、和解する、意見する、サポートし合うなどの意欲も機転も能力も減退するばかりの人間力の欠如をもたらしてしまう場合もある事…ヒーラーやカウンセラー、チャネラーやセラピスト、カウンセリング業務を行う宗教家に至るまで肝に命じる事が肝要かと思ってしまう愚僧であります。
                                                                                   
                                                                                      合掌

    

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