昭和の名優松方弘樹逝く…「仁義なき戦い」のセリフに見るスピリチュアルとは?

 
 
また昭和を代表する俳優が逝ってしまいました。 
 
現在では(極道当時も殆ど)、Vシネやヤクザ映画を観ることもない私にとって、平成に入ってからの松方弘樹の出演作などは知りませんが、やはり強く印象に残っているのは「仁義なき戦い」と「北陸代理戦争」でしょうか。。
 
まだ十代の頃など、この「仁義なき戦い」を映画館で観た時もありましたが、見終わって出てくる方達の中には興奮冷めやらぬものがあるのか、あのよく知られる重厚なテーマ曲さながらに自らがヤクザにでもなった様に反り返って肩をいからして歩いて映画館から出てくる人の姿なども見受けられたりでおかしかったものです(笑)
 
 
戦後の広島を舞台にした「仁義なき戦い」ですが、菅原文太(故人)や松方弘樹の他にも豪華キャストで5部作まで撮影された映画でした。この映画で強い存在感を示した役者に山守組の組長を演じた 金子信雄(故人) がいます。
 
菅原文太演じる若い衆(子分)の広能昌三が純粋で直情経行な性分な事から「昌三、しょうぞう、お前しかおらんのやけ、頼む、頼む、この通りじゃ!」
 
「お前が無期か二十年の刑で帰ってくれたら、わしの全財産をお前にくれちゃる」と泣いて土下座せんばかりに、敵対する人間の殺害を頼み込むシーンなどもあったものですが、恥も外聞もない姿を自分の子分の前でさらけ出しておきながら、腹の中ではベロを出し、利用し使い捨てにする腹黒い親分の役を見事に演じていたものです。
 
そこに加えてこのデタラメに過ぎる山守に不信を抱く菅原文太演じる広能に、この山守の姐御役の女性が「昌ちゃん、うちの人(山守)と昌ちゃんしかおらんていつも話しとるんよ」とばかりに囁き懐柔し「三味を弾く」様子など、その世界に生きたものならば思わず唸って笑ってしまうリアルなものがありました。
 
※三味を弾く(しゃみをひく)とは、相手をハメる落とし入れるなどの行為に於いて、伴奏する様に相方を務める事を意味する隠語。
 
 
この仁義なき戦いの映画で松方弘樹と菅原文太のやり取りで印象に残るセリフがあります。
 
以下、Webよりセリフを引用。
 
山守組の若頭・坂井鉄也
(松方弘樹)
 
 「昌三、わしら、どこで道、間違えたんかの。夜中に酒呑んでると、つくづく極道がイヤになっての、足を洗うちゃる思うんじゃ。
 
朝起きて、若いもんに囲まれていると、夜中のことは、ころっと忘れてしまう・・・」
 
 
広能昌三(菅原文太)
  
「・・・最後じゃけん、云うとったるがよ、狙われるもんより、狙うもんの方が強いんじゃ、そがな考えしとったら、スキができるど」
 
この後で松方弘樹演じる坂井は、力のある子分が台頭し凌駕される事を恐れた腹黒い山守の放った鉄砲玉に、子供の玩具を選んでいたオモチャ屋で殺されてしまいます。
 
狙われるもんより、狙うもんの方が強いんじゃ…
 
この言葉は何も極道の油断なき暴力の連鎖に対する心構えなどと言う観点ばかりでなく、私達の生きるこの世界でエゴが採用する最たる考えなのかも知れません。
 
また、松方弘樹演じる坂井の「わしら、どこで道、間違えたんかの。夜中に酒呑んでると、つくづく極道がイヤになっての、足を洗うちゃる思うんじゃ」と言うセリフも、仏心が出来て迷いの出た極道の心情を現すばかりでなく、企業や会社、仕事や人間関係に於いて伴う競争やノルマ、不条理などに、リアルな顔をして追随している様でも、自分の居場所、安息を得られず悶々とする私達人間の深奥を代弁するかの様な言葉でもあります。
 
国家間の関係にも政治や経済、企業にも、スポーツの世界であろうと、そしてこの松方弘樹の生きたTVや映画、芸能の世界にも…
 
「勝者がいれば敗者がいる。泣いて滅びて朽ちる人間がいてもしょうがないし、スキャンダルや下手売りをして消える人間だって当然いる。綺麗ごとでは世の中回らない。負けてくやしかったら、忘れ去られるのが嫌だったら、貧乏こいて泣きを見るのが嫌だったら、それ、競え、比べろ、闘え、倒せ、ふんだくれ、挙げ句の果ては殺してしまえ!」と角度や多少のニュアンスを変えながらも、その根幹を貫いているのは…
 
エゴの因果律とでも言うべき「振り子の法則」なのです。あまりに日頃より慣れ親しんだ考えだし、ここに疑問を生じさせると「人からどう思われるのか」と言う事に抵触する洗脳のシステムがこの世界には確立しているので、疑う事さえ出来なくなっていると言うのが本当のところです。
 
「結局2012年の次元上昇なんて事を言っていたアセンションなんてなかったじゃないか!?アセンションを売りにしていたスピリチュアルな世界の人間にとって、所詮は真新しい標語を掲げての商品にしか過ぎなかったのでは?」とする意見もあったりするものですが、闇と光に二極化が進むと言われる今の時代…
 
それは、「狙われるもんより狙うもんの方が強いんじゃ」と言う前出の言葉に見られる様な旧態依然な出口の見えない世界モデルに辟易とし、狙い、追い落とし獲得したものはやがて奪われる因果応報の理…何よりも「心の平安を失ってしまう」事や「他者はいない」と言う 霊的な世界の真実から照らせば、「隣人の栄光はまた自らの栄光である事を知り」人心を失わせしめる戦争、対立、分断、競争の世界モデルから離れ…
 
共生、調和に生きるべきだと言う人々が今の時代、世界規模で増大している現在進行形の意識拡大に、私はアセンションを見る様な思いがする時があります。
 
それだけに、対極するかの様な紛争、テロ、謀略、不正、犯罪、差別やいじめなど闇の事象はあからさまに露見しやすく上手く機能出来ない時代に突入しており、テロにしてもテロリストばかりでなく、そこに追い込んだ大国の画策や背景なども明らさまになるなど、神の入れるメスと謂うものは一方通行なだけのものではない様です。
 
 
愛人の女優さんが献身的に付き添い看病していた事なども報じられていましたが、穏やかな心で旅立れた事を願うばかりです。
 
                      合掌

 

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