★旅立つ人の香りなのか?…ヒーリング私記

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※写真は珍しい大元帥明王の刺繍による仏画です。姿は憤怒の明王なれど、慈悲を現す観音の化身とも言われています。

真言密教の大法、大元帥明王法(だいげんすいみょうおうほう)の第一人者と言われた私の師僧(現在は引退)は、末期ガンの患者から様々な症状を持つ方を加持ヒーリングで癒し名を馳せた方でもありました。

私が得度を済ませ、四度加行(しどけぎょう) と呼ばれる修行のプロセスに入った時に、師僧がぽつりと「正仙さん…あんた拝む力があるから、頼まれれば、お加持でも受けてどんどんやって行かれたらいいです。」と、まだ得度して間もない私に声をかけてくれたものでしたが、その後で…

「私も今まで色んな病気の方を大元法(大元帥明王法の略)で加持させてもらったが、寿命の無い方は三日と経たずに逝ってしまうものです。」と話してくださる時があったもので…なるほど、私はその後師僧より、いにしえの時代より国難の度に鎮護、国家守護の為に修法されてきた大元法の伝授を受け、その大元帥明王の持つ加持ヒーリングのパワーと言うものを身に沁みて知るところとなりましたが、それはスピリチュアルな世界の言葉で言うなら、ヒーリングの鋳型やアイコンの強さとでも言うべきもので、特筆すべきものがあります。

私は僧侶になる事と並行して気功から始まり、ヒーリングやクレアボヤンス(透視)など、スピリチュアルな分野の資格を取得し、加持祈祷も行えば、ヒーリングやリーディングなどスピリチュアルなワークも行う密教僧侶ヒーラーとして現在に至っていますが、その中で何度か余命いくばくも無いと思われる方への遠隔加持やヒーリングを依頼される事がありました。

寝たきりのご本人に代わりお電話を下さるご家族の方の話しを聞きながら、私はこうした場合、ハイアーセルフに、目を閉じ、「ヒーリングする必要があるか否か?」を問い掛けるのが常でもありますが、そうした時、まれにフルーティーな香りが鼻をつく時があるもので、フルーティーとは言っても、それはまるで期限切れのバナナが発酵し、すえた匂いを発しているかの様な香りでもあり、その様な匂いが僅かの間でも鼻孔をついた時は、加持祈祷やヒーリングをして欲しいとする対象の方の寿命が無い事を、ハイアーセルフが私の嗅覚を通して教えてくれるものを、身体に訪れる感覚と共に感じ取れる時があったものです。

※ハイアーセルフとは内なる神、高次の自己とも呼ばれ、今生でのカルマや課題のすべてを知り、真の意味でサポートする誰しにもある聖霊の事。

余談になりますが…よく、身内や親族に亡くなった方の知らせを受ける直前などに、お線香を焚いてもいないのに、お香の匂いがしたと言う様な不思議な体験をされた方のお話しを伺う事も多いものですが、この様に見る、聞くだけではなく、人間の嗅覚を通しても、「虫の知らせ」とでも言うべき霊的事象がもたらされる事にも共通するものがある様です。

話しは戻って…

こうした場合、病床にあるご当人を見守るご家族が、痛みに喘ぎ苦しむ姿を見るにしのびなく、安らかに旅立たせたいと言う希望があれば別ですが、大抵は延命が目的であり、ヒーリングや加持祈祷と言うものが、死を目の前にした人にとって、むしろ身体から抜け出しあの世へ移行する事を円滑にしてしまう事などを誤解の無い様にお話しした上で、加持祈祷やヒーリングをお断りする時があったもので、普通はその後その方から連絡が入る様な事は無いのですが、まれに数日してご本人が旅立たれた事をご家族の方が知らせてきてくれる様なケースもあっだものです。

私の道場の入口には次の様な言葉が掲げてあります。

身体を印契と成し

出入りの息を真言と成せ

座を立たずして

一切の仏事を成就すべし

諌から始まるこの言葉は、師僧が私に送ってくれたもので、師僧もまた自らの師僧より送られし言葉だったのです。
こんな短い言葉にも、弘法大師空海の感得した宇宙観、加持祈祷の真髄が凝縮されている様で私の好きな言葉でもあります。

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これより病気平癒の遠隔加持を行います。

合掌

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