今日16日は大聖歓喜天(聖天)のご縁日!

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今日16日は大聖歓喜天(聖天様)のご縁日です。

聖天さんは自坊でお祀りしている仏でもあり、昨日夕刻より、聖天華水供養を勤修しました。」

大聖歓喜天は『聖天』や『ガネーシャ』の名で親しまれ有名でもあります。

関西では生駒山宝山寺の聖天・関東は東京浅草の待乳山本竜院の聖天が有名です。

この聖天という神は賞罰の激しい神として知られており…

密教僧侶の間でも、この聖天(歓喜天とも言います)は非常に扱いの難しい天尊とされていて、宿世の縁がなければ修することが叶わないとまで言われています。

元々はインドヒンズーの神で、父はシヴァ神(大自在天)母はパールヴァティーと云う女神にその神話の起源があります。

聖天さんは別名ガネーシャである事はよく知られていますが、古代の神話では人に災いをもたらした鬼神、ビナヤカ(毘奈夜迦神)とも同体とされています

聖天を奉るお寺に行くと必ず、十一面観音が奉られている事にお気づきの方も多いのではないでしょうか?

古代の神話では、十一面観音は悪鬼の首領であった毘奈夜迦に慈悲を垂れ、自ら夫人となって嫁す事によって

暴れん坊の毘奈夜迦(聖天)を改心させ、仏教守護を誓わせた言い伝えがあるのです。

こうした聖天が持つ本来の荒ぶる神としての性格が影響してか?

日本の昔の密教僧や行者達は怨敵調伏(敵対する相手を打ち倒す)の神として崇めたダークサイドな歴史もそこにあったりもします。

しかしながらこれは昔の話し…今は聖天を奉るどこのお寺も国家安泰や参拝された皆さんの心願成就や息災円満を祈るばかりです。

私は数年前ネパールに旅行に行ったのですが…

ネパールの首都カトマンズを初め、多くのヒンズー寺院やチベット密教寺院を訪ねたものでした。

ヒンズー教とチベット密教が融合した様な寺院も多く、日本では考えられないそのスタイルや、民族性からくる宗教観の違いに新鮮な感動を覚えたものでした。

日本のお寺では、聖天は完全な秘仏扱いで、浴油祈祷を修法せぬ間は開扉(御開帳の事)しないのが、一般的ですが…

ネパールではインド圏と云う事もあってか?至るところにガネーシャ(聖天)がいるではありませんか!?あせる

一般の民家の玄関先や商店の入口、そこかしこに!色鮮やかな軸装の絵もあれば、銅に鍍金した綺麗なガネーシャも何のこだわりもなく置かれていたものです。

私はガネーシャを奉じている有名な寺院を訪ねる為、カトマンズから離れ、かなり山奥まで、通訳兼ガイドのネパールの方の車に乗って行ったのですが…

山道で辛うじて舗装はされているものの、デコボコ道の上に車のクッションは悪く、現地に着くまでにしっかり尻が痛くなってしまったものでした(笑)

行く道中など、コーナーの急なところなどで、日本で言えば、観光バスの様な大きな車も横転している光景なども何度も目にしたものです。

実に、目的地に着くまでに3台もそうした車に遭遇したのでした(笑)

ガイドの人に聞くと、定員オーバーの上に、屋根にまで人がたくさん乗る為に、カーブを曲がり切れずに横転してしまう様で…

日本の様にJAFの様な機関があるとも思えず、どうなるやら?と気の毒に思い見ていると…

『てんでおかまいなし!』といった風情で、バスの運転手はおろか、乗客の人達も倒れたバスを見て笑っているのです。

その光景を見て、なんとものんびりとした素朴な新鮮なものさえ感じ…時間に追われセカセカとしている我々日本人との国民性の違いをまざまざと見せられた様で…

微笑ましいものにさえ見えたものです。

こうして珍道中を終え、ガネーシャの寺院に付き、このお寺のお坊さんより、ガネーシャとお近づきになる潅頂を受ける事になりました。

地元の方からと思える供物や花がたくさんありました。

導師の方がマントラを唱え、私にガネーシャの仏像に何度となく額をつける様に求めてきます。

仏像に付いているティカ(インドの女性が額に付けている赤い粉)のおかげでおでこが真っ赤になりましたが…笑

導師がガネーシャを賛嘆するお経やマントラを唱えている間…

私はそこに清浄でパワフルなガネーシャ神のエネルギーをとても強く感じたのです。

すると、先程まで天気だったのに、急に強い風と共に雷までが鳴り始め…

かと思うと、目の前に大きなネズミが現れるれるではありませんか!!

すると導師の方がネパール語で私のガイドに何か言っているので、聞いて見ると…

『ネズミはガネーシャの眷属であり、あなたはガネーシャの祝福を受けている』と言うのです。

しかしながら、元来あまのじゃくな私は導師の方のお言葉を有り難く頂戴しながらも…

内心、日頃栄養豊富な供物を食べて肥え太ったであろうネズミのお腹を見ていたのでした(笑)

私は前世のどこかで行者や僧侶をしていた頃にこの聖天を身近に置き、きっと拝んでいたのでしょう…

因縁浅からぬものを感じたりもします(笑)

ガネーシャは、仏教やヒンズー教を信仰する人だけでなく、ニューエイジやスピリチュアルを志す人達にも愛されている神でもあります。

豊かさや芸術、学問や文章を書く事や家庭内の調和など、とても幅広い守護をしてくれる神としても知られますが…

私が聖天を拝んでいて感じるのは、障害の消除や回避といった問題解決に対する迅速でパワフルなエネルギーでもあります。

特別な修業をせずとも、ガネーシャの絵に心で語りかけるだけでも、側に訪れ、導きやサポートを与えてくれる寛大で優しい神に違いありません。

今日も雨の東京ですが…

皆様にとって実り多き一日となります様に

小さな自坊よりお祈り申し上げます。

合掌

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